車窓

山の傾斜に家が建つ

同じ顔を家が建つ

遠くで私が見ていると

ますます同じ顔に見え

似たような人が暮らしているのか

なんて思っている

分譲のだから、そうだろう

似たような家族

似たような未来

数十年後には老夫婦

一人暮らしか売り出されているか

あの山の傾斜には

人生が詰まっている

あの山が人生になっている

ぼんやりと

電車に揺られながら

思った

この電車も人生が詰まっている

今日も明日も明後日も

がたん がらん ごとん

ごとん がらん がらん

毎日、同じ人を乗せて

たまに違う人を乗せて

定位置に座り

たまには立って

だまり、黙り、黙り込み

たまに、こそこそ

笑う女子高生、小学生、男子高校生

その他エクセトラ

電車は変わるが

やはり、あの山は変わらないのだろう

そのことに安心する私がいる

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