第148話 イスラムの姫 シュルーク姫とマリア

「大丈夫ですかシュル-ク姫?」

「ええ、マリア それに祖母は大丈夫みたいだから」


エジプトへ向かう途中だった シュルーク姫と彼女の祖母

彼らと同じ船にいたマリア‥ムスタファ皇子が反逆の疑いで処刑された後

今は商人イヴァンの妻となっているマリア 


彼女マリアはムスタファ皇子の婚約者だったのだが‥


三人は途中の航海でマルタ騎士団に捕縛されたのだった。

「貴方は自分がまだ、キリスト教徒で身元を明かせば

解放してもらえるわマリア」


「そんな、ムスタファ皇子様が囚われ、処刑された後

私も殺されそうになった処を助けて頂きました

シュルーク姫様たちを置いてなどいけません」


「マリア 貴方には大事なイヴァンにそれに‥」

「イヴァンに私の子供たちは大丈夫です姫様」


召使の一人が心配そうにチャイやミントテイを持ってきた。

「有難う」「いただくわね」


「あの後、皇后のヒュレカム様も亡くなり

ムスタファ皇子様だけでなく、ヒュレカム様の皇子様たちも後継者争いで‥」

ため息が一つをつくシュルーク姫


「ヒュレカム様は‥争いで暗殺の可能性も」「姫さま」

「大宰相イブラヒム様も処刑されてしまった」


「スレイマン大帝様が温情を与えてくださったから 私たちは助かったのよ」

「それに祖母ジャスミンが乳母で‥」


そんな会話をしていると船室にノックの音

マルタ騎士の一人が入っている

「いかがでしょうか?不自由はないでしょうか」

「ご年配のジャスミン様は医院、施政院で養生されてますから」

整った容姿の騎士がトルコ語で話す


「あの‥?」「一時、オスマン帝国にいたので、少しだけなら会話が出来ます」

姫と騎士の目が合い、少しばかり姫の頬が赤くなった。




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