第111話 禁じられた恋 未亡人フランソワーズ

小さな屋敷に近いマルタ島の海のさざ波の音が聞えた。


ベットでの吐息 

彼の義理の妹で未亡人のフランソワーズ

その人と最愛の義理の兄と結ばれてしまった夜


ほんの一瞬のきっかけ、兄のワインを継ごうとした時に触れた手

見つめ合う瞳 それは合図だったから


兄は聖ヨハネ、マルタ騎士団の騎士、修道僧でもある。

禁じられた恋の甘い罪と官能

唇の感触に‥触れあった身体の記憶

まだ愛しくて、触れたいと思ってしまう


「兄さま」そっと涙が零れてゆく

赦されない恋の重さ 罪の味


間もなく、兄は 戦場へと向かう

「どうぞ、ご無事で‥」美しい未亡人フランソワーズは祈る事しか出来ない

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