第98話 異母兄弟と眺める魔物の少女

オスマン帝国の街にいる

皇帝の第一皇太子であるムスタファ

彼は軍での実力もだが、軍団内でも人気が高く、大宰相もまた

彼を皇帝にと思っていた。


しかしながら、オスマン帝国の歴史で初めて 

奴隷の身分を解かれ、皇后にまで上り詰めたヒュッカムからすれば 

ムスタファは 彼女の子供でなくライバルで追い出した最初の妃の子供


そう‥邪魔な存在  他の皇太子、自らの子供達の生存にまで関わる

のは必然であったのだ。


だが‥

「ムスタファ兄上」「ああ、来たのか」

ヒュレカムの産んだ息子とは仲よしで 互いに兄弟として大事に想っている。


「先程、逢いましたが マリアという少女は愛らしいですね」「そう思うか?」

「兄上は彼女を‥?」 笑顔で頷くムスタファ



木陰から眺める 綺麗な黒髪の少女がいる サラという名前の少女

青い瞳 それは邪眼、魔物の瞳が見ていたのだった。

「あらあら、仲がいいわね でも‥」サラが呟く 口元の笑みには小さな牙


・・・・・悲劇の事など 今は思いもせずに

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