第85話 シオンの呟き 青の瞳

大昔の巡礼者の姿をしたシオン 彼はそっと思い出していた

「僕は随分と長い時を生きた 後どれくらいこうしているのだろうか?」


そうして僕らの魂は天国には‥‥

切ない想いが溢れだす


「ヴァレッタ様は あの時の事を思い出してくれるだろうか?」

自嘲的な笑みが浮かび 微かな涙であった 青い瞳には涙


あの美しい南欧の中で出会ったのは‥

ヴァレッタ様はまだ10歳前後だっただろうか?


僕の髪に青い瞳が綺麗だと‥ 素敵な歌とリュートの音楽だと褒めてくれた

南欧の貴族の幼い少年


随分な年寄りと皮肉交じりに笑うだろうか?


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