第70話 スレイマン大帝とマルタの海賊

「最近は またマルタの海賊達が騒がしいか・・」

スレイマン大帝が報告書を読んで呟く‥

スレイマン  アラビア語でソロモン‥ソロモン王の名を持つ皇帝


「ロドス島でやはり、殲滅すべきでしたのでしょうか」

長年、支えてきた元は異国の大宰相イブラヒム・パシャの問いかけに

「そうだったかも知れぬ」スレイマン大帝はそう言って答えた


「マルタの海賊ども 今はマルタ騎士団か」

宮殿の窓辺の風を感じながらスレイマン大帝の言葉

何処か悪意はなく、懐かしいものを想うような不思議な心地で答えたのだった。


あの時、ロドス島での激しい攻防 包囲戦

敵ながら敬意を想い、ロドス島の住人たちの保護に 財産を持ち去る権利

破格の条件で逃がしたのだったから


「大事なイスラムの商船、我らの庇護下にある海賊たちにどれだけの損害を

もたらせば気がすむか

まあ、奴らにしてみれば 同じ気持ちか‥」スレイマン大帝

「かなりの数の船が捕縛、あるいは全壊です」イブラヒム・パシャ


オスマン帝国、黄金期のスレイマン大帝を壮麗王と呼ぶものもいる


東ローマ帝国、ビザンチン帝国の都だったコンスタンテンノーブル、イスタンブール

その主であるスレイマン大帝

偶像を廃した幾何学文様にアラビア風の壮麗な宮殿の中、東西を分ける大きなボスポラス海峡からの風が届く

爽やかな心地良い風がトプカプ宮殿内に満たされてゆく


噴水に綺麗な庭園 宮殿は麗しき箱庭のような楽園

宮殿から見下ろす先には様々な世界から集まった人々の大きな街が広がる




22,4,8~


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