第65話 勝手に船室で召し上がる人様の料理 ああ、美味

揺れるイスラムの船 海賊‥いや、今は海軍の船でもある

優秀な海賊は海軍の軍人として戦う事もよくあった 手強い彼等は帝国の為に戦う

…英国のエリザベス女王もそうしたものだった。


気持ち良さそうに揺れる船の船室 それはそれは嬉しそうに二匹の魔物


いや、二人のよく似た綺麗な少年と少女が 

それは嬉しそうにハグハグと

勝手に人様の船室に入り込み、人様のお食事を召し上がっていたりしたのだった。


「美味しいねシオンちゃん」「うん、僕のサラ」ハグハグハグ…


「あ、これは特別注文 ウルグ・アリ様の故郷イタリアのチーズリゾットだ 

美味しい」「ひよこ豆のスープ」「串焼き最高!」

「ナス料理!」「ズールビヤの上げ菓子」「あ‥いけないはずの赤ワイン うふふ」

「ホレシュハヴィージ(ニンジンの煮込み)」

「イスケンデルケバブでしょう はい、どうぞ小皿に盛りました」

ちょっと偉そうに魔物の少女サラは彼ウルグ・アリに小皿に盛られた料理を渡す

「本日のターバン、赤い宝石付きで良い感じですね」吟遊詩人のシオン 

営業用スマイル…


本来のこの食事を食べるはずだった者 

ウルグ・アリ

 

改宗したイタリア人 

少年の時にイスラムの海賊に浚われ 

今は名のある海賊で海軍の高い地位まで登りつめた。


イスラムの海軍のそれなりに高い地位にある若い男 ウルグ・アリが

眉をしかめながら彼等の勢いに負けて、何も言えずに食事を分けてもらっている状況





※イスケンデルケバブ‥、ピタとかパンなどの上にあぶり焼き羊肉の料理・・らしい(汗)


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