第55話 白い骨の手と・・血片

リヒター修道僧達が海賊達に取り押さえられ 

身動きが取れなくなったサラには 銀のナイフが・・


何かの文言を呟くイスラムの導師、導師のような男は

銀のナイフを手にゆっくりと近づく


その時だった 


「エセ導師、偽物の導師だろう法力、魔力はない 

お前・・僕の大事なサラに何をする気?」

導師の肩に 白い・・白い骨の手が乗っていた そして、目の前にはサラによく似た綺麗な黒髪と青い瞳の少年が一人 吟遊詩人の姿の少年、人を食らう魔物


肩に乗せた骨の手はいつの間にか普通の少年の手になっている 

いや、リュートの楽器を扱う長い綺麗な指先

「お前は僕が嬲り殺す」そっと呟くシオン


「シオンちゃん!」サラが嬉しそうに叫ぶ サラの青い瞳には微かに涙


「ぎゃああ!」「ごくふっ!」目を見開く海賊達

にぶい爆発音がした 海賊達が粉々になってゆく 僅かな血片となって形もない

残りの者達には黒い羽虫が海賊達に襲い掛かり 食らいつくした


「や、やめ・・」「ぎゃあああ!」絶え間なく悲鳴が上がり 

惨たらしい惨状には人質だった者達は蒼白になって声を押し殺して見ていた。


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