第28話 祈りの歌声・祈りの輪には入る事が出来ない者

そうして、その夜半に仮の宿になる屋敷で 彼等、聖ヨハネ騎士団の騎士達は

祈りを神に捧げていた。


聖句に 神に捧げる祈りの聖唱 それは紡がれて来たもの 魂に響き渡る歌声が

響き、ゆっくりと詠唱の歌声が静まりゆく 


紡がれた救いへの祈り 天国の門への道に・・


時に狂おしく、残酷な現実の中

誰しもが高みにある天国の門に…無事に到達することを望む。


修道僧である彼等の職務は、騎士としての役割だけでない…‥

修道僧としての祈り

特別な目的と任務で課せられた施政院、病院での奉仕、医療活動 人々の救いの為に


ザアアア‥雨の音‥マルタ島の地で岩肌を打つ雨音


すぐ傍で、建物の外で 降り始めた冷たい夜の雨に打たれながら

祈りの輪に入る事が

許されない者が悲哀の表情、静かなる諦観に満ちた表情をさせながら、聞いている。


漆黒の闇色の髪が雨に濡れている。


この時、哀しい見捨てられた

子供のような瞳をした者、彼は雨よけのフードも着ずに


人よりも長い時を生きてきた

青い瞳、少年の姿の吟遊詩人、今では人ではない魔物が……






※今回はグレゴリオをユーチューブで聞きながら・・作業です(汗)



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