第98話 ゴーレムは魔道具だった!!

 バルコニーで、王様が演説している………


その後方の外から影になる場所で、オククとキャンベルは密談のうような、ネタばらしのような、説得のような、何か意味不明な会話が行われていた。


「オクク、ゴーレムは君が誰の力も借りずに、ゴーレムの魔法陣を解析して魔道具として使用できるものを発見した そして 実用化した!! 理解した?」


「いや、俺の異能でゴーレム作っているけど、魔道具のゴーレムなんて、研究も解析もしたこと無いよ」


「してたんだよ!!」


「え? …………してたの?」


「そう、してたの!!」


「誰が?」


「オククが!!」


「????????」


「オククが!! ゴーレムの!! 異能の魔法陣を!! 解析して!! 成功して!! 魔道具のゴーレムを!! 作り出した!! 理解した?」


「いや、理解出来ない!!」


「じゃ、理解出来なくていいから、覚えておくこと テストに出るからね!!」


「…………はい、先生…………」


「うん、うん そうゆうのも いいかも!!」

(さあ、オクク 裸になって そこのベットに入りなさい!! 先生が教えてあげる うん、萌えるな…………)


キャンベルがデロデロ顔で、妄想の世界に行ったようだ。


なんだ、この理解不能な会話はキャンベルは何がしたいんだ?


俺の異能が作ったゴーレムを、魔道具で出来ている事にする意味は?


「その、功績で君は王国魔道具研究所の所長に昇進するんだから、絶対忘れたら駄目だよ、もし ばれたら高収入な所長をクビになるよ」


それは、嫌かも


豪華な椅子に座ってクルクル回ってセクハラしてたら、高収入の所長は 憧れのポジション 俺は、所長になってクルクル回るんだ!!


よし、ゴーレムは魔道具 理解して覚えた これでテストは大丈夫!!


「でね、超有能なオククを平研究員として、長きに渡って虐げていた王国魔道具研究所は、今度 王直轄で運営される事になったんだ だから オククの直接の上司は王様だけだよ、他の誰の命令も聞いちゃ駄目だよ!!」


「ふむふむ、上司は王様だけか~~~!! 王様忙しそうだし。職場には来なさそうだし これは、クルクル回るのだけが仕事になりそうだな~~~!!」


今までも、魔法陣の制作成功しなくても怒られないし、定時で帰ってたけど…………やっぱ、上司の目がいつもあって居心地はあまり良くなかったんだよね。


「それでね、王国魔道具研究所が王様直轄だから、今後ゴーレムの運用は王様、王宮で管理するから、よろしくね」


「…………えっと、ゴーレムの運用はロウラ様とアスカがしてるよ」


「それは、オククの異能で作ったゴーレムだよね、王様が運用するのは王国魔道具研究所で作った魔道具のゴーレムだよ」


「え~~~~と????」


「オククの異能で作れるゴーレムは、今度50体になりました!! 後は、オククの開発した魔道具のゴーレムとなります、これも覚える!!」


「なんで?」


「王国魔道具研究所の所長だから!!」


「所長だから?」


「魔道具のゴーレム作れないと、功績は無くなって所長クビだよ」


「うん、所長だからだね、今後は異能で作れるゴーレム50体 了解!! あとの ゴーレムは魔道具で出来てるんだね そうなんだね 当然 そうだよね 俺 クルクル回るよ!!」


オククは、クルクル回る 誰かの手の平の上で…………


そして、王が呼ぶ


キャンベルに背を押され バルコニー


大観衆が眼下に広がり


恥ずかしいので、小さく手を振ってみた



ロウラ様が


凄い目で俺を見てる、背中がゾクゾクする~~!!


 でも、所長に


所長になったから、負けない クルクルする為に、負けない


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