第73話 アポローンの華麗な生活 1
公爵婦人ロウラは、お肌がツルツル腰もお尻もキュと張りの有る美熟女になっていた。
もちろん、それは恋してるからだ。
少し前までは、昼夜を問わずに彫刻に打ち込んでいた為に、お肌もカサカサで目も充血した状態を維持していたが、今は全盛期の美貌とスタイルを取り戻している。
もちろん、それは夜の大運動会でハッスルしているからだ。
旦那の若い頃は、こうだったらいいな~~~と彫刻した、人類最高傑作(ロウラ自己評価)の傾国の美神アポローンに似ているアポローン、旦那の若い頃はこうだったのよ 絶対 アポローン似なのよう~~~!!
いや、童話の傾国のアポローンの挿絵そっくりですが、どこかで記憶がまぜっていませんか、旦那様は若い頃も今も、のほほんとしたフツメンですが そして名前がアポローンって確信犯では?。(公爵邸従業員一同)
アポローンの長い睫毛に覆れ、まるで涙を貯めているかのような濡れた瞳は少年のようなキラキラしている。 アポローンが夜空を眺めながら寂しげに、少し垂れ目の瞳から流れる涙は右目の目尻の小さな泣きボクロを通過していく様は、全てを捧げても…………足りないと思わせた。 もちろん、見ていて心が張り裂けそうになり、興奮して異能を発動し熱き雨の中の夜の大運動会が開始してしまうロウラだが。
そんな、アポローンを自分だけの物にしたロウラが、頭の中お花畑になるのも当然であった。
朝も昼も夜も、ロウラはアポローンから離れず爛れた生活を楽しんだ。
そんな幸福な時間過ごしているロウラに、王妃から7公爵家夫人全てに後宮でのお茶会開催の通達が送られてきた。
ロウラはこの3年の間は彫刻に夢中で、定期的に開かれるお茶会に参加はしていたが内容はこれっぽっちも覚えていない、だが王妃、公爵婦人は他国から嫁いでおり嫁ぎ先の故国の利権や情報のすり合わせなどの話合いを無視など出来ない、たとえ 興味を失っていたとしても。
勿論、もはや一時も離れる事が出来なくなったロウラはアポローンを連れて男子禁制の後宮でのお茶会に向かうのであった。
「サドラー公爵婦人!! ロウラ様!! ここよりは、後宮でございますぞ!!」
後宮の警護をする女性騎士達から、ロウラに厳しい𠮟責が飛んだ。
「公爵夫人ともあろう方が、若い男性と腕を組んでそのまま後宮に連れ入ろうなど気でも狂われたか!!」
女性騎士たちは、今にも抜剣し実力行使も辞さない構えを取った。
アポローンは、優しくロウラの腕をほどくと、女性騎士に向かって歩き出した。
アポローンの瞳は女性騎士の瞳をただ見つめる、女性騎士はアポローンの視線により体に力が入らなくなったの自覚する、顔を真っ赤にして 超美形!! と、心の中で絶叫しつつ、力の入らない腕でノロノロと剣を抜いた。
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