第30話 モウゲ伯令嬢キンドリー
私は、モウゲ伯爵家令嬢キンドリー そう名乗るのも今日の婚姻の義が終わるまで。
私には、5歳の時から婚約者がいましたが、その方は9歳の時を境に来なくなり、少しして新しい婚約者の方が来られるようになりました。
5歳の時の婚約者の方は、非常にすらっとした体形をされていて物腰は柔らかい方でした。いつも疲れておられるようでしたが私の話をよく聞いてくれてくれて、笑顔になられると幼い私はいつも胸がドキドキして顔が熱くなっていたのを覚えています。
9歳の頃から、来られるようになった婚約者の方は、私の父のモウゲ伯を2周り大きくしたおデブな方でした。いつも「ブヒ、ブヒ」言われていました、言葉は通じているのでしょうか? まあ、たまに私にもわかる言葉を発していたので伝わるのでしょう。
面白いことに、お二人共同じご要望をされました、それはわたしにお兄様と呼んで欲しいとの事でした。 学校では、婚約者の方をそのように呼ぶとは教わりませんでしたが、一部の貴族の間ではそのように呼ぶしきたりでもあるのでしょうか。
13歳の時の、お披露目の舞踏会で初めて、婚約者の方の名前がオクク男爵と知りました、あ~~そっなのか~~~くらいの感じでした。
そして昨年の14歳の時に出席した舞踏会で運命の出会いをいたしました。
「美しいご令嬢、あなたに出会えたことを大聖樹様に感謝を!!」
始めから凄く情熱的な方でした、美しいご令嬢 それは、私が欲しかった言葉です。
私は、同年代のご令嬢達に比べ、身長は低く顔は童顔 そして 体形も……。
皆様から、可愛い 可愛いと言ってもらえますが、小さな子供のように扱われているようで嫌でした。
だって、いつも話しかけ来る方は
「可愛いお嬢さん、う~~ん まだ ここに来るのは ちょと早いかな お父さんとはぐれてしまったのかな?」
こんなのばっかりです!!
迷子じゃないです~~!!
「申し訳ありません、私にはもうすでに婚約者がおりますので」
と、舞踏会で男性から話しかけられたら、婚約者のいる方は必ず相手に対して宣言するように教えられていました。
もし、しないと結婚詐欺になるそうです。
始めて言いました、だっていつも「可愛いお嬢さん……、迷子?」ですから。
「ああ~、美しいご令嬢 あなたと出会うのが遅かった事 これは、大聖樹様に感謝ができない、いや わたしのこの卑しい心が大聖樹様に対して声を大にして不条理を訴えられずにいられない」
崩れ落ち、悲壮な顔された男性は さらに
「大聖樹様、これはわたしに与えられた試練なのでしょうか。 もし真実の愛が出会うのが遅かったからと失われるなら、この世界に愛など無いのと同じなのではないでしょうか、大聖樹様どうかどうか、私に愛の試練を、そして愛の試練を乗り越える力を~~!!」
意味は分かりませんが、情熱は私に伝わりました。
私の事を愛していると。
モウゲ伯令嬢キンドリー 2に続く!!
続きは明日書くので、お待ちください。
。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます