第31話 モウゲ伯令嬢キンドリー 2
私に出会って、情熱を爆発されていた方は、その後落ち着かれてレイモンド伯と名乗られました。
落ち着かれた後はレイモンド伯は非常に紳士的で知性的な方でした。
「此度は、私 主催の舞踏会にお越し下さりありがとうございます」
優しい笑みを浮かべ、私の手の甲に跪いてキスをされました。
それだけで、わたしは顔が真っ赤になったのを自覚しました。
凄く、スマートで美しい所作だったのです、そして私に向けられた笑顔が朧げな記憶を甦らせるのでした。
レイモンド伯は、5歳の頃に出会った、最初の婚約者のお兄様に似ているのです。
均整の取れたスマート体格、普通のお顔の時は目つきはきついのですが、笑顔になると目じりが下がりとってもチャーミングで優しさが伝わってきます。
「此度の舞踏会のご主催者さまとは知らずご挨拶だ遅れ申し訳ありません、私はモウゲ伯爵家当主の次女 キンドリーと申します」
通常の舞踏会なら、まず主催者の方に挨拶を述べに行くのですが、この舞踏会は基本無礼講のラフなものと聞いていたので挨拶に行っていませんでした。
「ああ、美しいキンドリー もし あなたから舞踏会の初めにご挨拶いただいていたら、この舞踏会はそこで終わらせ、あなたとの時間に充てられていたのに、なんて不幸なんだ 大聖樹様 私に救いの手を!!」
あら、また情熱的で意味不明な言動に
わかります、私の事を愛しているのですね。
ああ、お兄様 いえ レイモンド伯様 わたし、わたし、私には、
私には、婚約者のオクク男爵が
「レイモンド伯様、私には婚約者のオクク男爵がおられます、その愛は 愛はお受け出来ないのです~~~~~」
ドキドキ、バクバク、ワクワク
ああ、まるで おとぎ話のお姫様のシュチエーション
「ああ~、それでも それでも あなたの傍に あなたの声を聞くためなら、聞くためなら~~~ 大魔樹に 魂を 我が身を捧げるのも厭いませ~~~~~ん!!」
と、言いながらレイモンド伯は3回転して私の手を取り、肩に手をまわした。
周りの舞踏会に来られた貴族の子弟の皆様から拍手がおくられ、なぜか周りが暗くなり 私達二人だけをスポットライトが照らし出した。
終わりませんでした モウゲ伯令嬢キンドリー 3に続く!!
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