第2話 婚約破棄からの、逃亡!!


 王都で、夜会が開かれていた。


キャンベル公爵が派閥の若い貴族を集めての懇親会


俺も派閥の構成員として、婚約者を連れ出席中…………事件は起こった。


「私は、このレイモンド伯爵と新たに婚約することになりましたので、オクク男爵との婚約は破棄させていただきます!!」


と、婚約者の伯爵令嬢 キンドリーちゃんから宣言された…………


 キンドリーちゃんの横には、若いイケメン金髪碧眼の男性がドヤ顔して、俺を見下している。


 「ブヒ、キンドリーちゃん、何言ってるの冗談だよね?」


 「あなたの、不行状はすでに全て掴んでおりましてよ、領地では重税を掛け民を苦しめ、ここ王都でも幼い子供に金銭を渡して淫らな行為をしていると」


 「ブヒン、どこからそんな話が?」


 「証人がおりましてよ、ここに」


 キンドリーの後ろから 幼女2人と汚いおっさんが1人現れた。



 「このおじさんに、後ろから抱き着かれました…………臭かったです」


 「お尻触られた…………気色悪いです」



 幼女2人から指を差されて言われた、そして汚いおっさんが、


 「ほとんどの収穫を税に持っていかれて、食べる物が無く飢えて止む無く土地を捨て この王都に逃げてまいりました」


 リリちゃん、エミちゃん 酷いよ~~~~!! そして汚いおっさん お前は見たこともないわ!!


 リリちゃん、エミちゃんにいる孤児院に寄付して、その孤児院の子供達とご褒美に鬼ごっこして遊んでもらっただけだよね、 鬼したんだから、それ捕まえるためでしょ 臭かったの? 気色悪かったの? ごめんよ~~~ …………あと、領地で重税って何?


 「オクク男爵 この証言であなたの不行状は証明されました、貴族として高貴なる義務を忘れ、この不行状この行状をもってオクク男爵の有責にて婚約破棄させていただきます…………、そして、私キンドリーは、あなたの不行状を相談を親身になって話を聞いて頂き、婚約破棄を応援していただいた、レイモンド伯爵と新たに婚約する事といたしました」


 レイモンド伯爵は、キンドリーの手を取り、その手の甲にキスをし優しい瞳でキンドリーを見つめた。




 「ブヒ、ブヒン~~~~」




 混乱、混乱、混乱、涙が溢れ出して止まらないよ。 そして、人族語がブヒ語に~~~~




 「ブヒ~~~~~~~~~ン~~~~~~」




 メタボを通り越した、お腹の脂肪を我がままに左右に振り泣きながら逃げ出した。


 周りの同派閥の貴族達から、冷たい目となぜか暖かい目に見送られながら、俺は夜会の会場を飛び出し馬車に飛び乗り


 「もう、帰る お家に帰る~~~~~!!」


 そして、俺自慢のゴーレム馬車は急発進し、お家に向かって爆走するのだった。








  「おやおや、モウゲ伯爵家のキンドリー令嬢は、私の主催した夜会で面白い余興をしてくれるね」


 「はい、本当に楽しい余興でございますね」


そう言って話す二人は少し声を出した笑う。


 「これでまたオクク男爵の顔が当分は見れなくなるね」


 「はい、今度は長くなりそうですね」


 「我が親友にも困ったものだ、これからどれ程の混乱と狂乱が始まるか予想も出来ないよ」


 「はい、今後発生するであろう事態に備え当家も直ぐに準備に入りましょう」


 「ああ~~~。小心者で臆病 そして 心優しい我が親友よ。 早く、その卑屈で醜い笑顔を見せておくれ……………………、こたびの事は徹底的に調査せよ、私の顔に泥を塗り、友を泣かせたこと必ず後悔させてやる!!」


 その声は、まるで太古の悪魔が発した呪いの言葉のように深く暗いものだった。


 「は、必ずや!!」


 慇懃に、深く深くそして狂気を持って腰を折る我が側近に感情の制御を失った主は


 「そういえば、お前も…………そうか、そうか」


 「クフフ」


 「アハハ~~」




  二人は笑う


   これからの凄惨にして無慈悲な…………






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