1月19日 白井冬至朗の日記
宝くじが当たったからファミレスでおごってやるとモモノとアオを誘ったが、断られた。アオは例の「やることあるんで、来月にまた」とそっけない。モモノはパソコンを直すらしい。ちょっと嘘っぽかったけど、信用してやることにした。しかたないので夢のことを考えた。オレの悪いクセで考え出すとドツボにはまる。昨日の夢は予知夢なのかどうか、わからなくなってきた。別にモモノが犯人であってほしくないから、無理に自分を納得させているんじゃない。ないと思う。むしろ、モモノまで疑っているからこそ、その疑惑が夢という形で表に出てきたんだろう。そう考えるほうが自然だ。特別にモモノが犯人だと疑っているわけではないが、モモノだけは犯人ではないと決めてかかっているわけじゃない。どうもこの前の猫の一件から、モモノが頭にこびりついている。オレが疑いを持っていることに気づいて、ひと芝居うって疑いをそらそうとしているかもしれないとまで考えたくらいだ。今、書いていて思いついたけど、もしかしてアオだけでなくモモノも刺されるんじゃないんだろうか。普通に考えればそうなる。猫の死体を送りつけてくるくらいのやつならば、モモノを刺してもおかしくない。モモノが刺されて逆上したアオが犯人にむかっていって刺される。これはありそうだ。むしろ、今の段階ではこれが一番、ありそうだ。正月の夢は、アオが刺される後半だけを見たんじゃないか? やってはみたが、アオの線から犯人を絞り込むのは無理そうだ。猫の線から、モモノのほうからたどっていったほうがよさそうだ。やっぱり日記はいい。誰に見せるわけでもないけど、書くことで、考えていくことが整理できる。
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