1月15日 白井冬至朗の日記

 珍しくモモノから連絡があった。それも電話で。なんかあったと思ったから、しばらくはとりとめのない話をさせるにまかせた。最後までそれらしいことをしゃべらなかったが、絶対になんかあったんだろう。声も震えてたみたいだし。やばいことじゃなきゃいいけど。途中でこっちから切り込んだほうがよかったんだろうか。いやダメだ。それじゃあいつは口を閉ざす。打ち明けてくれたらそれはそれで、あいつはそのことを悔やむだろう。オレを頼ったことを悔やむだろう。頼ってくれてかまわないんだが、あいつの妙なプライドがそれを許さないんだろう。アオもそうだが、ほんとに変なところで気高いというか、見栄っ張りだ。かっこつけたがる。理解できない。そのせいでこっちがどんだけ迷惑こうむっていると思ってんだよ。結局、こっそりとあいつのアパートの近くまで行ってみた。なにもしないで帰ってきたし、ほんとに時間のムダだった。アオのこともあるし、考えてばかりだ。










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