1月13日 緑川 晴海
緑川春海はスマホに指を走らせた。ロックを解除するパターン認証は、指の動きを観察していたから見当がついた。
無事にロックが解除されたときは、声が出そうになった。だが、こらえる。
本来の持ち主は、すぐそこにいるのだ。距離は二メートルもない。
許された時間はわずかだ。一分もない。すばやく通話履歴を見る。白井の名前が目立った。次にメールの送信履歴をチェックする。
白井以外にメールを送っている人物の名前を確認した。
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