1月11日 白井冬至朗の日記

 また夢を見た。夢のなかで声がする。たぶん男の声だ。声は告げる。「なるほど、●●が誰かわかった気がする」と。それに対し誰かが驚いたように質問するのだ。「日記を読んだだけで?」と。こっちの声も性別はわからないが男のような気がする。夢だからはっきりしない。質問に最初の人物はうなづいたようだ。よくわからないが、そんな記憶が残っている。「え、待ってください。もう全部、読んじゃったんですか」「途中までだよ。1月10日までだ。でも、それでヒントはつかめた気がする」というやり取りが続く。そこで目が覚めた。だから、夢はたちが悪い。これは予知夢なのか? 違う気がする。これまでの経験上、あの手の夢の場合、映像的なイメージが強い。無音でいくつかの視覚的なイメージが、次々と写真を見せられるように切り替わっていくこともある。この前のあの夢のときも、そうだったように思う。夢だから正確に思い出せないのはわかっているけれど、すぐにメモでもしておけばよかった。今からでもしてみようか。もう遅いか。予知夢はいつ見たか思い出せないことが多い。普通の夢は明け方、早朝、四時、五時くらい、起きる直前に見ることが多い。なんでそんなことがいえるのか実はよくわかっていないけれど、そんな気がする。まぁ、今朝のはただの夢だろう。アオも日記を書いていると聞いたことがあるから、いろんなことが結びついてあんな夢を見たんだろう。たぶん、飽き性のアオはもう日記を書いていないと思う。日記の話をしたのは、一年も前のことだし。


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