1月5日 白井冬至朗の日記
こんなことならば、山梨のおばさんが元気なうちに能力について聞いておけばよかったのだ。おばは親戚からも近所の人からも不思議がられていたようだ。なぜかおばは天気をよく当てた。誰かが結婚すると日取りを告げたら、「その日はいい天気になる」などと言っていたらしい。まぁ日本はほとんど晴天だから、この程度ならば予言でもなんでもない。親戚一同を気味悪がらせたのは、おばの田舎に暴力団員かなにかが東京から拳銃を持って逃げてきたときだった。具体的になにが起きるかは言わなかったが、おばは町の人に戸締りを厳重にして家から出ないように警告をしていたという。その件以来、おばは町の人から好奇の目で見られたという。小学校五年生の時だったと思う。トイレから出るとおばがいた。たぶん待ち伏せみたいにしていたのだと思う。おばは言った。「冬至朗ちゃんには私と同じ力があるんだよ。気をつけなさい。それとなく敦子には言っておくけど、うまく付き合うんだよ。困ったら私のところに来なさい」と。困ったことにオレはその景色も予知夢で見ていたのだ。
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