その日、あなたは死ぬ

一月四日 桃野千秋の日記

　バイト先から電話。無視していたら社員からスマホにメッセージが届く。「あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」と普通に新年のあいさつ。あいつ若造のくせに礼儀を知っているじゃないかと思ったのは一瞬だけ。

　どうせシフト外の出勤要請だろうと思っていたら、あいさつだけでビックリしていたらやっぱり来た。出てくれませんか、と。断ってやろうかと思ったけど、こんなご時世でいつクビになってもおかしくないので、もったいつけてから出てやることにした。

　というわけで、明日からバイトだ。去年の秋あたりからたまに顔を出す本部の年寄りが気があるみたいで、やたらとからんでくるが、まさか明日はいないだろう。まだ新年だし。にしてもあいつ気持ち悪いなぁ。よりによって、なんであんなのに目をつけられちゃったんだろ。

　だいたい昔から好きな人から好きになってもらえない。変なのからはもてるんだけどね。困ったもんだよ、まったくさ。