第41話 三から順に
草原、ドラゴン飼育場へ集まってくれた第三騎士団のみなさん、早いお着きで。
「騎士団長様って何でこう、真っ先に向かって来るんだろうな?」
俺が強すぎて部下には手を出させないためだろう。そうともそうとも、俺は騎士団長様なんて一捻りで殺せるんだよ。
「いい音が鳴るかな?」
第三騎士団長様の首を骨折魔法で折るところを部下たちに見せてやると、悲鳴やどよめきと怒りに震え剣を構える音がする。
白目をむいた第三騎士団長様の首が、俺の顔の方へ垂れて目が合う。
「随分、恨めしそうな目で見るんだな」
亡骸を第三騎士団たちに投げ渡す。受け取ろうと手を広げた騎士団たちを、素早く蹴り倒す。
「ぐああ! この外道勇者め!」
「俺の売りはそれだから。今ならサインしてやるけど、どうする?」
「全員でかかれ!」
第三騎士団は右手で剣を持ち、左手に魔力をためて構える。早口で詠唱して煙を放つ。これは、催眠魔法と、幻覚魔法。
「残念。眠気も起きないぞ」と、俺はわざとあくびしてやる。
たとえ、その魔力をこめた手で肩を触られたとしても、「
この黒のマントは、俺のダンスを格好良くみせる働きもあることを知っているか?
第三騎士団を次々、蹴り飛ばすとマントがひらりと舞うだろう。
頬をかすめる剣。身体を反らしてから回し蹴りする。ほかの騎士が俺の着地を狙って足を払おうとする。
「
空気を蹴って一段飛ぶ。ついでに騎士の両肩にぽんと手を置く。
「お仕事ご苦労様」
骨折魔法をかけると、鎧ごと骨が粉砕する。騎士は剣を取り落として地面に転がる。
「なんとむごい攻撃だ」
「ちゃんと恐怖を感じてくれてるか? だったら嬉しいな。もっと与えてやるよ」
第三騎士団を散々痛めつけて全滅させると、次に到着してきた第二騎士団はドラゴン飼育場の牧草地に広がる死体の山に絶句する。
「おのれ、元勇者め」
「次は誰が遊んでくれるの?」
「セスルラ国第二騎士団、団長ロザリー」
「三から順に来るわけね。これは退屈しないな。本命はヴァレリーだけど。俺ってもしかしてモテてる?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます