第22話 深夜三時
ディルガン国にて勇者の元仲間の魔女ヴァネッサを深夜三時に処刑する。と文には書かれている。
整理して考えてみよう。ちょっと先生くさいか。一番大事なターゲットであるアデーラ。俺を地下牢にぶち込むよう計った張本人。
だが、魔女ヴァネッサも捨てがたいな。俺には三度も火をつけてくれてるんだもんな。何で俺より先にディルガン国が処刑することになったのか、全く情報が書かれていない。
はーん。エリク王子の策略か。相変わらず、やることが早いな。
ここまで来て引き返すべきか? アデーラを諦めて? 深夜三時って、もうすぐだぞ。
距離で考えても
最悪だ。俺の
俺以外の奴に命を奪われるのなんて我慢できないなぁ。
美人な方から先に処刑しようかと思ったが、二人とも正反対の美しさだ。
アデーラはエルフというだけあって、輪郭や骨格からしてすでに完璧の美を誇っているし、白い髪は背中まで長くて、はじめて森の中で見たときは透き通る髪が朝日で輝いて神秘的だった。
美人至上主義なのもうなずける。
一方の魔女ヴァネッサは、妖艶で悪魔と寝たとか言われてもうなずける邪悪な美をまとっている。
黒髪で、肌は褐色。すらりとした生足と短めのブーツ。ローブをまとって、中身はブラだけ。ってちゃんとアーマーだからな。
「深夜三時に寝取るなら……ヴァネッサだな」
ディルガン国には走ったらすぐ着く。
俺のブーツは「
おうおう、夜だってのに、遠くからでも城壁が松明の明かりで照らされている。見張り台も建てちゃってるし、これって入れてくれない系?
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