1話

「お前ら、座れよー

 今日は転校生がいる。」

「えぇーどんな子だろう。何か知ってる?」

「ううーん。そんな話知らなっかた。」

“ねぇ、私達が同じクラスって初めてじゃない?”

“あぁ、”

「入っていいぞ」

“へましないようにね。さ〜としくん”

“そっちこそ”

「始めまして。静岡県から引っ越してきました。松尾あかりです。好きな事はピアノをひくことです。これからよろしくお願いします。」

「弟のそうたです。バスケットボール部に入るつもりです。どうぞよろしくお願いします。」

“ねぇ、あの子”

“分かってる”

「ねぇ、何校だったの?」

「ライン交換しよ〜」

「どこら辺に引っ越して来たの?」

“こっち私が持つよ”

“助かる”

あかりは愛想のいい笑顔で質問に答えていく。オレは…あ、いたいた。

「ねぇ、ちょっといい?」

「お、おう。えっとー」

「松尾さとしだよ。いきなりで悪いんだけど、トイレってどこか教えてもらっていい?」

「ちょうど行くところだったから来いよ」

「ありがとう。助かるよ。この学校広くて迷いそうになるんだ。」

「あぁだよなー。何かここって迷路みたいだよなー」

「もしよかったらいろいろ教えてよ。」


「にしても、何か隠れてたのか?」

「ん?」

「だってよ、宇都井がお前らが引っ越してくるの知らなかったから。」

「それ思った!」

「一般的な引越し方法だと思うけど。ってか宇都井って?」

「なんていうか噂とか、情報を集めるのが得意なやつがいるんだよ。基本的なことは知っているんだよ。」

「しかも、超かわいいんだぜ。まぁお前の姉には叶わないけど。」

「そ~だよ。あかりちゃんだっけ?美人だよなー。お前も美人だから、遺伝子か?遺伝子なのかー」

「うーんまぁ、あかりいいやつだからなんか困ってたら助けてやってくれよ。」

「お前、いいやつだな!」

「かっこよくていいやつとか、憎めねぇじゃないか!」

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