くち
だるま
第1話 くち
このままじゃ......全員殺される。あの、女に......
俺たち日立山高校の3年生は、待ちに待った修学旅行真っ最中だった。俺たちは宿泊先のホテルに行くためバスに乗り込んだ。
「いやー今日はホント疲れたわ」
「うそー。今日太一くん全然動いてなかったじゃんw」
「ははははっ!そうだったっけ」
イケメンの太一とその取り巻きの女子たちの会話はいつもうるさい。しかも全くおもしろくないことで笑ってる。
「ちょっと君たち、静かにしてもらえないかな。読書に集中出来ないじゃないか。」
委員長が太一たちの会話を止める。いつものパターン
「え?ちょっと......あれ、何?」
取り巻きの1人が、怯えているように言った
「そんなことで僕が騙されるとでも思っているのか?」
と言いつつ委員長が後ろを振り返る。
血まみれの女が、運転手を食っていた。おそらくクラスメイトではないと思う。いつバスに乗り込んだのだろうか。悲鳴、悲鳴、悲鳴。耳が壊れるような悲鳴がなり響く。
制御を失ったバスがコンビニに突っこみ、俺は運良く外に投げ出された。
俺は逃げた。死にたくない。その一心で俺は力の限り走った。
コンビニのトイレに行ってはじめて気がついた。自分の口がないことが。
くち だるま @sanufute
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