第35話 静かなるテレビ中継
日本女子オープンゴルフをなんとなく見ていた。
私はゴルフはたしなまないし、こうした番組を見ることはまずない。
自分でゴルフクラブを握った記憶も数えるほどしかない。
しかし、見ていて、疲れた心にそれは心地良かった。
まず、うるさくない。むしろ静かだ。ほかのどんな番組よりも静かだったので、それが気に入ってしまった。
目に入るのは、まず緑の木々と芝生だけ。
そこを短いスカートなどをはいた若いプレイヤーたちが歩き、白い球を静かに打つ。
そこには台風の接近する時にしては、何かとても私の心を癒すものがあった。
今まで、ゴルフの中継を、こんなふうに感じたことはない。
といっても、私はゴルフに限らず、あまりテレビを見ない。
きょうは、たまには政治のニュースでもと思ってテレビをつけたら、こういうことになってしまった。
もちろんミニスカートもいやらしさなど微塵もあろうはずがない。
清潔で美しい番組だ。
余程疲れているのかな。
映画も観たいと思わないもんな。
たぶん疲れているんだな。
そう思っているうちに、ゴルフの中継は終わってしまった。
なんか良かったなあ。
また見ようっと。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます