夢見る舞台
マドカ
夢見る舞台
ベッドから起きてストレッチをする。
夕方かぁ、、
タバコに火を点け、ミネラルウォーターを飲む。
おー、68件か。
LINE返しながら風呂入るか。
「大丈夫?? いつでも話聞くからね」
「何そいつ、別れなよ」
「俺も大好きだよ」
「リュウジに負けたくないからモエ入れれる?」
「リスカするくらいなら俺に会いにおいで」
「一生来なくていいよ、んじゃね」
えーと、今月が残り600万か。
まぁ大丈夫かな。
ホスト始めてもう2年。
上手く回り出したのはここ半年。
最初つらかったな。
吐くまで飲んでも給料少ないし
売り掛けバックレされて代表に殴られるし。
同期も皆1ヶ月で辞めてった。
ただ俺は幸運だった。
2ヶ月目で月に50万使う客がついた。
枕したけどね。
後は勉強した。
心理学、女を口説く方法、流行りの音楽、流行りの映画に流行りのドラマ。
ナンバー取るまで1年半かかったけど。
客のお陰で家賃50万でのびのび暮らせてる。
中卒で何も学歴ないからホストで稼いで、貯金で生きてきたい。
だからあと2年で辞める。
今貯金が4500万。
まだまだ遠いなぁ。
そうこうしてたら出勤の時間だ。
クロムハーツの時計、今日来る客に貰ったネックレス、ブランドの靴、中指に別の客の指輪。
今日はネイビーのバーバリーでいいや、スーツ。
客から貰ったアクセサリーと別の客のアクセサリーを同時に身につけるのは基本だ。
嫉妬させたらまた金使うから。
香水はー、、、シャネルにしとこ。
、、、、、、、、、、、、、、、
初めてホストクラブに来た。
てか友達に連れられて来た。
怖、、、
え、なんかシャンパンコール??
うるさい、怖い、、、。
メニュー、、
は!?高い!!!!!
「ここ座ってもいいですか?」
なんか高そうなのに身を包んだ、金髪の人が来た。
あ、あの人に似てる、佐藤健。
「あ、はいどうぞ、ただあたし初めて来たし仕組みわからないんで、、ね、ねぇユミ?」
「えーー???? 楽しめばいいじゃん」
最悪、こいつもう酔っ払ってる、、、
「ユミちゃん調子いいねー! じゃあ失礼します。 初めてならじゃあ、飲み放題でどうかな? 何飲む??」
「えっとじゃあ水割りで、、」
「濃さは薄めにしとくねー。 緊張しないでね、俺も緊張する!! あ、レイヤって言いますよろしくね! 名前聞いても大丈夫???」
「あ、ミウって言います。」
「ミウちゃんね! ポケモンって言われない?」
「あ、めっちゃ言われます、、高校の時ミュウツーってあだ名で、、」
「じゃあ俺がハイパーボールで捕獲しよっかな(笑) でもミュウツーって難しいよねー。」
たぶんこの人売れてる人だ。。
話上手い。。。
「えと、あの何か飲みますか?」
「いいのー? 別料金かかるし、場内指名になるけど大丈夫?」
「えとあんまりお金ないですけどどうぞ。」
「んじゃビール貰うねー。てかタメ口使っていいよー」
「いえそんな恐れ多いっす、、」
LINE交換した。
15分経ったら他のお客さんのとこ行った。
へぇー、売れっ子さんはすごいなぁ。
えっ!?!?
めちゃめちゃシャンパン飲んでる、、
すっご、、、
あたしはでももう今回だけでいいや。
ホストにいいイメージないし。
、、、、、、、、、、、、、、
1ヶ月後
今日も疲れたしあたしは一体何をしてるんだ。
デリヘルで働いて昼職して。
レイヤに使って。。
ハマらないつもりだったのに上手いんだレイヤは。
ちくしょう、、、、
あ、LINE来た!!!
レイヤがデートしよって誘ってきた!
同伴しなきゃ!!
今日お客さんあと3人は欲しいな、、
、、、、、、、、、、、、、
3ヶ月後
あたしはレイヤの彼女。
一緒に住んでる。
レイヤは毎日酔っ払って帰ってくる。
あたしは味噌汁作って出迎える。
あ、店にも行くよ当たり前じゃん。
彼女だからって他の客に取られたくないもん。
レイヤはあたしのもの。
、、、、、、、、、、、、、
んー、ミウちゃん順調だな。
風堕ちもまぁ本人が望んだなら別に引き止める理由もない。
ただなー、、酔っ払って俺が管理してるマンション教えたのはマズかったなぁ、、、
めちゃめちゃ家に居る。
ちょっとめんどくさくなってきた。
ぼちぼち切ろうかな、しんど。
、、、、、、、、、、、、、
レイヤに別れようって言われた。
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!!!!!
なんか彼女にデリさせるのも金使わせるのも嫌だって。
泣きながら別れないでと懇願する。
レイヤは困った顔してる、、
どうしよう、、、
、、、、、、、、、、、、、
4ヶ月後
俺は入院した。
肝硬変。
もうホストは無理かもな、、
飲むキャラだし。
どうするかなこれから。
LINEは鳴るけどちょっと疲れてきた。
今は返さないでいい。
自分の人生考えようぜ俺。
、、、、、、、、、、、
5ヶ月後
目を開けると病室の天井。
腕はガリガリで、もう現役の頃の魅力はない。
俺も必死にやったさ。
客に連絡も取って。
たださ、女って結局見た目で判断するんだな。
スッピンで病気で弱ってる俺見たら
皆LINE返して来なくなるでやんの。
あーあー、、、
仕方ないか、そういう生き方してきたし。
楽しかったから、別にいいや。
LINEの電話が鳴る。
んー?
おー、ミウか。
出ようかねたまには。
、、、、、、、、、、、、
久しぶりに会ったレイヤはミイラかって思うぐらい痩せてた。
顔は土気色。
元気もない。
でもそんなことは別にどうでもいい。
会えてよかった、、、!
あたしはまだ好きだもん。
レイヤが引退するって話は1か月前から聞いてた。
偉いね、頑張ったね、、、
あたしが支えなきゃ。
、、、、、、、、、、、
ミウが毎日見舞いに来る。
今の俺の何に魅力があるかわかんねぇ。
でも毎日来てくれるのはすげえ嬉しい。
店に来てた時より嬉しいかもしんねぇ。
てかよく見たらまた可愛くなってるな。
呼吸をするように
「また付き合う???」
と言ってみた。
またっていうより
俺からしたら初めてなんだけど。
ミウは嬉しそうに泣いてた。
、、、、、、、、、、、、、、
1年後
俺は今土木で働いてる。
白かった肌は浅黒く
細かった指はゴツゴツと
汗臭い、キツいけど。
楽しい。
太陽の下働くのって楽しいな。
ミウも居るし。
今日結婚記念日だ。
入院代でほとんど使ったから金がない。
でもいいさ、
ロイホでステーキセット頼めば俺らは盛り上がれるから。
、、、、、、、、、、、、、
レイヤとロイホ。
レイヤと一緒なら別に松屋でも美味しい。
レイヤが言ってきた。
「俺さー、最初ミウをハイパーボールで捕獲しよっかなって言ったじゃん?」
「懐かしいwww そうだよー、捕まえられちゃったよ」
「逆になってね?」
「んー????」
「俺がミウにさー、
マスターボールで
捕まえられたよ」
、、、、、、、、、、、、
夢見る舞台 マドカ @madoka_vo
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