陰キャな僕は異性の親友に恋してる
東雲三日月
プロローグ
ここ最近日本各地では、大なり小なりと様々ではあるものの、地震が多数起きている。
そのニュースは連日テレビの情報番組や、ネットから流れているので、高校生になったばかりの僕は良く目にしていたが、其れは何処か他人事の様であった。
阪神、淡路大震災等、僕が住んでいる関東では、そんな大きな地震を経験したことが無い。
だから、どんな揺れが起こるのか直接知ることはない為、怖いのだろうという、ふんわりとした空想の世界でしか想像が出来ないのである。
実際経験していないことが、いつ起こるかも分からない状況で、地震の心配をしているような暇は僕には無かった。
そんなことよりも、四月に入学したばかりの僕にとっては、新しい環境の変化や緊張で、未だ戸惑っている自分が居た。
かれこれ二週間は経過しているので、いい加減慣れても良いのだうが、陰キャな僕にとって慣れるという事はとても大変なことだった。
☆
僕の名前は
そんな僕の親友である
陰キャ=根暗というイメージが一般的にあるのに対して、彼女は全然違う存在だった。
そんな僕が明美と仲良くなるキッカケとなったのは、深夜のアニメ番組に出てくるキャラのキーホルダーを、たまたま通学用のカバンに付けていたからである。
中学時代、二年生の終わり頃に転校してきた陰キャな僕に対して、そのキーホルダーをきっかけに彼女が話し掛けてきた。
その後、アニメの話で盛り上がっていると、彼女がゲームとかやってるのか聞いてきたので、僕がやってることを伝え答えると、更にゲームの話題でも盛りあがり、それから度々僕の家に来てはゲームで一緒に遊んだりもした。
まさか、アニメでもゲームでも話が合う人がいるだなんて......そんな僕達はアニメとゲームのオタクであるという点だけで繋がっているので、もし、この共通点がなければ陽キャな彼女とは仲良くなることが無かったであろう。
☆
僕が選んだ高校は県立の男女共学、僕の住んでる埼玉県で普通のレベルの学校だった。
明美は僕以外に友達が沢山いたし、テストの点数からしても僕より頭のレベルは上に思えたのだけど、アニメとゲームの話をする人が居なくなってしまうからと言う理由で、僕と同じ学校が良いのだと言い張り、四月からも何故か同じ学校に通うことになった。
しかも、五クラスもある中でたまたま一緒のクラスになれたのだから、そのことだけはラッキーでしかない。
陰キャな僕にとって、周りの環境が変わりまだ慣れずにいるけれど、親友である明美が一緒なので少し助かっている。
────
こうして僕の高校生活が開始されたのだけど......クラスの男子に何故か睨まれている気がしてならない。
相変わらず、コミュニケーションがヘタで話す人が他にいないけど、明美とは話せているのだから、男子から睨まれていることは気にする事は無いだろうと、僕は勝手に思っていたのだけど......。
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