姫(♂)と王子(♀)のラブコメは間違っていますか?

寝たい屋

第1(♂)話 姫と呼ばれるのは間違っている。

 俺こと、二ノ舞桜条には悩みがある。


「ねぇ君かわいいね~!」

「……」


 小さな悩みだが……


「ねえってば!無視すんなよ!!」

「……」


 いや、これはとても大きな悩みだな。


「おい聞いてん―」

「うるせえなああ!!!」


 ビクッとナンパ男は反応した。


「今登校中だっつーのおお!!!それと俺男だから!!!」

「お、男!?」


 俺は女と間違えられる。

 その理由は、俺の容姿が美少女すぎるからだ。

 そう……これが俺の悩みだ。

 




「お前またナンパされたのかよ!」

「ああ、しかも登校中にだぞ!? そんな時間帯にナンパする奴がいるか!!」


 いたけどな


「全く……お前は可愛すぎなんだよ」

「俺にいうんじゃねえ、最悪だよ」

「なんで?」

「普通の美少女より美少女してるって言われてもなんもうれしくねえし、女にモテるならまだしも、男にしかモテねえんだぞ!?」


 そう、俺は自分で自信張って言えるくらいかわいい。

 それゆえ、男にモテてしまう。

 男に何回告られたことか……ちなみに女に告られたことはない。


「はーん……女にモテねえのは性格の問題じゃね?」

「殺すぞ?」

「すいませんした……ところで姫」

「姫っていうな殺すぞおおおお!! 桜条おうじょうって言え!」


 俺は昔から姫と呼ばれる……理由はいらないよな。


「ごめんごめん、で桜条! この前転校してきた姫野永由って覚えてるか?」

「え? あー確か金持ちの坊ちゃんだろ? なんかあーいう男は好かねえんだよ」

「……その転校生なんだけどさ……」

「ああ、なんだよ」


「”女”らしいよ……」


 へー女ね……はぁ!?

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