アルケミストストラテジーシナリオ「愚者の黄金」

●初めに

 このシナリオは初期作成のPC2人を想定して作られたシナリオです。PLがそれより多かったり少なかったりする場合は、一人のPLが複数のPCを管理するとか、データ的には意味がないけどちょこちょこ口をはさんでくる使い魔(仮称QB)で参加するとかしてください。

 ロールプレイとかを挟まなければ1時間ぐらいで終わると思います。


●導入

 PC達は錬金術師組織「第三ローマ連絡会」に所属している錬金術師です。(錬金術のおかげで)チョロい仕事と十分な報酬で楽に暮らしているあなたたちに、組織から呼び出しがあります。

 ネットカフェ「電脳横丁」の一室に呼び出されたPCたちはモニターに映るVRアバターの人物から指令を受けます。指令の内容はこうです。


・組織内部に裏切り者が出た。

・錬金術名「アルマーニ内藤」金属の錬金術師だ。

・コイツが最近半グレ系組織「黒ドラゴン」と接触している。

・黒ドラゴンの主なシノギは、ニセブランド品の売買だ。そして最近やたら精度の高い金メッキ品が流通してるらしい。

・つまり、アルマーニ内藤が錬金術で偽物を作っている可能性が高い。

・錬金術組織を通さないシノギは市場を荒らしやすく、官憲に見つかると後始末も大変になる。

・よって今のうちにアルマーニ内藤を確保してこの店に連れこむこと。

・なお、死して屍拾うものなし。死して屍拾うものなし。


 というわけで、PC達の錬金術師としての仕事が始まります。


●アルマーニ内藤の部屋

 アルマーニ内藤の住んでるマンションの部屋です。第三ローマ連絡会に登録されてる住所です。本来ならマンション入り口で暗証番号を打ち込んだりしないと入れませんが、連絡会所属の別の錬金術師が廊下までは入れてくれます。それ以上の協力はしません。

 目的の部屋は当然鍵がかかってます。一般的なディンプルキーです。隣人に気付かれず侵入するためには代表一人で判定してください。必要ヒット数は1です。失敗したら命運を2点減らして再挑戦できます。

 侵入すると、中には誰もいません。一般的独身男性の部屋ですが、数日ほどここには誰も出入りしてないようです。家捜しするなら協力判定で必要ヒット数3です。

 そうやって集めた情報を分析したりして足取りを追います。

 成功すると金目の物やデジタルデバイスなどの貴重品がないので、手近なモノを持って逃げたようです。つまり、第三ローマ連絡会から足受けして黒ドラゴンに入ったとみるべきでしょう。


●黒ドラゴン

 半グレ系犯罪組織「黒ドラゴン」を調べるという判定です。これは協力判定になり、半日かかります。必要ヒット数は5です。裏社会の聞き込みをしたり、メンバーの似顔絵を作ったり、捜査を妨害してくるチンピラにインタビューして情報を聞き出したり、そうやって集めた情報を分析したりして足取りを追います。

 成功すると川沿い廃工場がアジトであり、そこに中心メンバーとアルマーニ内藤がいることが分かります。


●アジト襲撃

 廃工場には地下室があり、黒ドラゴンのメンバーはそこを改造して暮らしやすくしています。ボスの「ロン=ブラック」を中心に、常に10人が活動していて、内、5人は臨戦態勢です。銃はありませんが、アルマーニ内藤が作った剣で武装してます。

 戦闘になります。メンバーの戦闘力は、一人頭固定ヒット数1で命運が2あります。複数人を一度に相手取る場合、人数分合計して下さい。メンバーは福本マンガのモブぐらいの思慮の深さで生きてます。ボスだけは少し気合入ってます。黒ドラゴンのメンバーは全員錬金術を知っています。アルマーニ内藤が第三ローマ連絡会から狙われているだろうことも。アルマーニ内藤は暴力ざたはサッパリのデブですが、錬金術師である自分がなぜこっそり一般人のふりしなきゃならないのかと不満を持っています。戦力には数えませんが、持ち運ぶのは結構しんどいです。

 「敵戦力を分断して各個撃破」「ステルスエントリーして無音撃破」「アルマーニ内藤だけこっそり拉致」など複数の作戦があると思います。GMは柔軟に対応して下さい。


●エンディング

 アルマーニ内藤を「電脳横丁」に連れてくと、黒いフルフェイスヘルメットのメイドが「ご苦労だった」と電子音声で告げて札束とアルマーニ内藤を交換します。

 アルマーニ内藤の今後については何もしらされません。成長と報酬の処理をしたら、シナリオ終了です。

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