エロゲの世界でスローライフ ~一緒に異世界転移してきたヤリサーの大学生たちに追放されたので、辺境で無敵になって真のヒロインたちとヨロシクやります~
第25話 VS ヤリサーのヤマカワ &妖精さんのエッチなイタズラは無理ですか? それは流石に無理です その1
第25話 VS ヤリサーのヤマカワ &妖精さんのエッチなイタズラは無理ですか? それは流石に無理です その1
と、まあ――。
そんなこんなで俺たちは1か月ほど猫耳族の里……っていうか、エリスの実家で滞在していたわけだ。
けど、ナターシャが急に森の中央に帰ると言い始めたんだよな。
理由としては、彼女は森全体の王であり、執務も溜まっているということらしい。
それと急ぎの用事も入っているとのことだ。
まあ、ナターシャが忙しいらしいって話はかなり前から聞いてたしな。
今は新婚旅行気分で、一時的にここに一緒に住んでるだけって話らしかったし。
「で、どうするんだよ……これからの俺たちの生活はさ?」
そう尋ねると……ナターシャは寂しそうな表情をしてこう言ったんだ。
「……森の王だからね。結局は……どれだけ頑張ってもボクは通い妻……さしずめ、織姫と彦星といったところかな? まあ……しばらくはお別れってことさ」
それで俺たちは猫耳族の里の出入り口まで、ナターシャを送っていくことになったわけだ。
だけど、その途中、ナターシャは若干頬を染めて――
「手が寂しい」
とか、そんな可愛いことを言い始めた。
で、お別れの際には、顔を真っ赤に染めてこんなことも言いだしたんだ。
「あ、あ、頭も……寂しいよ」
仕方ねーな……とばかりに頭を撫でると、ナターシャはニッコリと笑った。
ちなみに、去り際に「これからは2日に一度しかここには来れない」と本当に寂しそうに言ってたんだが……。
――かなり頻繁に来るよね!?
このお別れは何だったの!?
と、そんなことに突っ込みを入れるのは無粋ってやつだろう。
だって、ここはエロゲの世界だからな。
毎日、いつでもどこでも発情したら即合体の状態じゃないと、ヒロイン達には異常なストレスがかかるというのも仕方ないのかもしれないな。
さて、ナターシャが通い妻になってから数日が経過した。
実はここに来てから色々な作物も育てたりしていて、毎日農作業で汗を流し、夜は嫁やモフモフランドの相手をしたりで充実している。
一日の生活サイクルは……。
・朝9時に起きる
・飯を食って10時から12時まで趣味で農作業
・昼飯を食って風呂に入ってゴロゴロする
・ゴロゴロしていると、かなりの確率で嫁が来るのでイチャイチャする
・嫁たちの飯を作って喜ばれる(エリスが手伝ってくれる。アカネは掃除洗濯してくれる)
・ナターシャが来る日は宴会(酒はナターシャが持ってくる)。つまり、週3か週4で宴会
・夜はみんなでイチャイチャする
うーん。
本当に良い感じの生活をしてると思う。
本当は働かなくても良い立場なのに働いているってなもんで、これで「働き者の素晴らしい指導者」扱いされるんだもんな。
まあ、本来の仕事は用心棒的なポジションなので、本当に働かなくても良いんだけど。
あと、悲しいことに福次郎が失踪した。
ある日の朝……好物の鴨のタタキを用意したのに、福次郎は現れなかったんだよ。
その後、福次郎の姿は一切見かけず……エリスに聞くと「サカリがついたのでは?」と言っていた。
『サカリ?』
『はい、旦那様。モンスターテイムの力は生存欲求までには及ばず、大体の魔物はサカリの時期にテイムの力が切れてしまうのです』
『……そうなのか』
『さすがに効果が切れたと言っても飼い主に攻撃などはしません。が、テイムの力での仮初の主従関係ですからね。ひっそりと姿を消して、その後は大自然で生きていくのが通例となります』
『……テイムスキルだけの関係か。寂しい話だな』
『まあ、福次郎にも子孫繫栄という生物としての目的もありますので……仕方のないことでしょう』
『確かにそうだな。福次郎にも福次郎の人生があるよな……』
とは言っても、やっぱり寂しい。
死んだわけじゃないから、そこは良いんだけど……やっぱり家族がいなくなるのは……。
でも、そこはやっぱり仕方ないよな。
と、そういう風に俺は納得した。
それで話は変わって、俺は今、酪農的なことをやっている。
現代地球の色んなものを再現する系のやつを育てているってことだな。
やっぱり、俺はここのトップ的存在みたいだし、ここの住民たちの生活は向上して欲しいってのはある。
と、そういうわけで、自作のチーズの試作品ができた。
材料は牛乳と、牛やヤギなんかの胃袋から獲れる酵素だな。
酵素は牛を潰して肉にする時の胃袋から採取した。
そこで驚いたのが、この世界はホルモンを食べる習慣もないってことで「待て待て待て!」ってことになったんだ。
まあ、醤油ベースの焼肉のタレを作ったら……これが大好評になったことは言うまでもないだろう。
で、話は脱線したが、チーズの話だな。
これもこの世界では無かったもので、当然ながらチーズ料理というものも存在しない。ってことで――
――ピザを作った。
で、いつものとおりに、1週間程度でピザは瞬く間に猫耳族の里で流行した。
まあ、こんなもん嫌いな奴はいないのは当たり前のことだよな。
少なくとも俺はピザが嫌いという人間には生まれてこのかた出会ったことは無い。
まあ、探せばいるんだろうけど。
と、それはともかくピザが美味い。
ウチの家でも二日に1回くらいはピザが出てきて、特にナターシャのお気に入りだ。
聞けば、固形物の肉が無理なだけで牛乳はギリギリでオッケーのラインらしい。
当然ながら乳製品のチーズもオッケーというわけだ。
それに、よくよく考えてみれば、パンとトマトソースがベースで後は具材はカスタマイズ可能だもんな。
チーズがアリなら、ベジタリアンのエルフにとってはピザっていう食べ物はモロにハマってしまうのも分からないではない。
と、まあ……本当に美味いので、俺としては逆にこういう不満も出てくるわけだ。
「ビールが……飲みたい」
「ビール?」
エリスに不思議な顔をされてしまったが、まあ……飲んだことないなら分からんだろうな。
ナターシャが焼酎っぽい酒を持ってくるんだけど、これは違うんだよ。
ピザに焼酎は……水割りならギリギリ合わないこともないんだけど、やっぱ合うのはビールなんだよな。
そして、ツマミが美味いなら酒が飲みたくなるのは道理の話なわけで――。
「エリス……ピザと言えばビールなんだ。これは俺の実家のオヤジも言ってたし間違いない」
「ふむ……それでビールとは何なのですか?」
「大麦とホップから作る酒だ。黄金色の液体で泡がシュワシュワーってしててな……苦いけど冷やして飲んだら美味いんだよコレが」
いかんいかん。
ゴクゴクと冷たいビールが喉を通り過ぎる感覚を思い出して、思わずヨダレが出てきた。
夏場に仕事でクテクテに疲れてのビールは、本当に「あー……っ!」って感じの感嘆の溜息が出ちまうよな。
と、そこでエリスがポンと掌を叩いた。
「ああ、それならサテュロス族の里に……そんなお酒があったような気がします」
「よろしい。ならば交易だ」
と、そんな感じで即決でサテュロスの里に行くことが決まった。
「ちなみにサテュロスってのは何なんだ?」
「羊の亜人でモフモフしてますね。肘から手首あたりまでがモフモフしていて、あとは羊耳が頭に乗っかっていることを除けば人間と同じです」
あー、そういえばそんな名前の酒好きの魔物も日本で聞いたことあったっけ。
「で、サテュロスの里にはお前もついてくるの?」
「アカネさんもついてくると思いますよ。商売のチャンスですから」
ちなみに猫耳族の里のアイスクリーム屋は、エリスの出資で大繁盛しているんだよな。
それと、俺のレシピの和定食屋が鬼人族の里でめちゃくちゃ流行ってるらしいんだが……これはアカネの出資。
それぞれがチェーン店化していて、里の中で現在進行形で増殖している状況だ。
最近では鬼人族の里にもアイスクリーム屋の一号店が進出し、猫耳族の里にも和定食屋の一号店が進出してきている。
今後は人間の街にも商売の手を広げる計画もあって、俺の嫁たちは中々に商売上手みたいだ。
あと、いつの間にか商業ギルドでローションと振動するオモチャの特許も取ったらしい。
この商材についてはサキュバスの商館に無料で卸して宣伝してもらっていて、今は種撒きの時期だ。
効果は抜群で、既に色んなところから注文が殺到していて、猫耳族の未亡人たちは大忙しで量産体制に入っているらしい。
ちなみにエロ関係はナターシャが始めた商売だ。
そんでもって俺は……ご存じのとおりに絶賛ニート中ってわけだな。
いや、農業はやってるよ? 申し訳程度だけど。
「それじゃあドワーフ族の里にもアイスクリーム屋さんと和定食屋さんを出店しましょうっ!」
と、まあそんなこんなで……俺たちはサテュロスの里に向かうことになったのだ。
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