エロゲの世界でスローライフ ~一緒に異世界転移してきたヤリサーの大学生たちに追放されたので、辺境で無敵になって真のヒロインたちとヨロシクやります~
第21話 平和的な性的外交で辺境の森……獲ったどー! その2
第21話 平和的な性的外交で辺境の森……獲ったどー! その2
「バフ効果75%……信じられませんよ旦那様」
「そんなに凄いのか?」
「即席でやるならダース単位の生贄を捧げた儀式魔法が必要と思います。もちろん、禁制の邪法です」
そりゃすげえな。
と、その時、玄関から声が聞こえてきた。
「頼もうーっ!」
鬼人族の面々の顔色が変わり、すぐにアカネと3人は玄関へと飛び出していった。
そして、これは只事ではないと判断した俺とエリスも続いて玄関へ。
で、全員で玄関に出向くと……はたして、そこには長髪のナイスミドルが立っていた。
袴姿で年の頃なら50代前半って感じだろうか?
「お父上? このような夜分に何を?」
ああ、言われてみれば、キリっとした眉毛とクッキリした目鼻立ちが似てるな。
そうして、アカネの父は懐から赤く輝く宝玉を取り出した。
「その宝玉は?」
「今回のオーガキングの討伐……お前の初陣だ」
「はい。私は既に成人し、武人として育てられましたが故……」
「この宝玉はな、お前が危機に陥ると同時にワシに知らせてくれる宝玉なのだ。何かあれば、すぐにお前の救援に向かう手はずも済んでいた」
「……ふむ? つまりは、成人した娘が心配だったと?」
「過保護と言うなら言えば良い。だが、可能な限りに娘を助けたいと思うのは親心なのだ」
「……それで?」
「この宝玉は高性能なのだ。魔力の微妙な流れを察知し……貞操が奪われたことすらもワシに伝えてしまう」
ありゃりゃ、もう情報は筒抜けってことね。
「娘の貞操が破られた……どのような男が相手かと思ってな」
と、アカネの父親は俺に一瞥をくれて、悔しそうに舌打ちをした。
「認めんぞっ! 親との挨拶の前に結婚をするような輩など……ワシは絶対に認めん!」
ごめんなさい。
そこについてはお義父さんの言うとおりです。
いや……待てよ? でも、まだ正式に結婚とかはしてないよな?
エリスの時も一応は祝いの席っぽいのはあったし、あそこで正式に結婚ってことになってるはずだ。
と、なると……鬼人族では夜の交渉を一回でもしたら問答無用で結婚扱いになるのか?
まあ、そこは文化の違いなのだろう。
「お言葉ですが……父上?」
「何だアカネ?」
「結婚の挨拶については不義理……そこは認めますし、謝罪もしましょう。しかし――結婚を認めないなどという言葉は受け入れられません」
アカネと父親は睨みあっていて、何だか良くない雰囲気だ。
「昔から父上はそうです。大事な場面で……私は自分の意思で何かを決めたことがない」
「何が言いたいのだ、アカネ?」
「その宝玉だってそうでしょう? お気持ちはありがたいですし、心配してもらえるのは嬉しいです。ですが……余計なお世話ということもあるのです」
「何……? 余計なお世話?」
「結婚相手は私が決めることであって、父上が決めることではありません。認める認めない以前の問題ではないしょうか?」
「なるほど、言うようになったな」
「私は父上の娘ということには変わりありませんが、人の妻になったのです。そして今後は……私もまた人の親になる。もう……童の時のアカネはここにはおりませぬ」
「だが、ワシは許さんと言っている」
そこでアカネはニヤリと笑ってこう言った。
「ならば、拳で語りましょうか」
その言葉で、アカネの父もニヤリと笑った。
「ああ、揉め事は殴り合いで決める……鬼人族の習わしだ。しかし、鬼人族最強のワシに……よりによって拳での話し合いを求めるとはな。お前に有利なハンデ付きの話し合いでも良いのだぞ?」
「ですから言っているでしょう? 私は人の妻となったのです。以前のアカネではありません」
ゴキゴキと拳を鳴らして、二人はどちらからともなく玄関から庭に移動する。
――ん? 何だこの展開は?
俺はエロゲの世界に転移してきたのであって、少年漫画とかの世界に転移してきたわけじゃないよな?
と、俺がそんなことを考えているのはお構いなしで、二人は庭で盛大に殴り合いを始めたのだ。
☆★☆★☆★
「私は父上をこえたぞおおおお!」
雄叫びを挙げるアカネに、ノックアウトされた父親。
展開はかなり一方的で、アカネは最終進化済み&バフ効果モリモリなので……見ててちょっと可哀想な感じだった。
ちなみに、バフ効果がなければ、ひょっとしたらお義父さんのほうが強いんじゃ……っていうくらいには食い下がっていたので、元凶の俺的にはかなり気まずい。
「強くなったなアカネ。確かにお前はもう子供ではない」
「父上……」
二人は握手を交わして、アカネと父親は互いに涙目になって、その場でギュっと抱きしめ合った。
うん、なんだか良く分からんが、家族での話し合いは終わったようだ。
しかし、体育会系……いや、この場合は戦闘民族か。
拳で語り合えば大体のことは何とかなるのは、万国共通で戦闘民族の良いところだな。
「しかし、娘のワガママを認めるのと、君個人を夫として適格かどうか……それを親として判断するのは別の話だ」
と、俺はお義父さんにギロリと睨まれてしまった。
「大事な娘を……こんな普通の男に……私の娘は強者にしか絶対にやらんからな!」
その時、エリスが上空を見て叫んだ。
「あ、アレは……討伐難度SS――鬼鳥王!?」
うーん、デカいな。
500メートル以上は上空なのに、ここからハッキリと見えるサイズだ。
恐らく、翼を広げた大きさは10メートルは簡単に超えるだろう。
「本当に鬼種が異常発生しているみたいだな」
俺の言葉でアカネはコクリと頷く。
「しかし、サトル殿? 我々……鬼人族は……あのクラスの空の魔物に対する攻撃手段を持っていません。エリス殿にしても射程範囲外で迎撃もできないでしょう」
「俺にしても、あの距離なら魔法の制御は難しいな。大暴投をして俺の魔法で里に被害が出たら洒落にならんし」
「では、どうなさるので?」
「どうするかと言われると、こうするしかないだろう?」
俺はミスリルソードを片手に持って、台所に向けてこう叫んだ。
「福次郎っ!」
福次郎は一目散に俺のところに飛んできて、アカネの父親は驚愕の表情を作る。
「何っ!? 羅刹鳥を使役しているだとっ!?」
そのまま俺の肩に止まった福次郎は、大きく大きく翼を羽ばたかせて――
――浮いた
実はこれ……帰り道で福次郎と遊んでる時に分かったことなんだよな。
つまりは、合体技でこんなこともできると。
で、福次郎に運ばれて俺は上空を縦横無尽に舞いながら、鬼鳥王へと猛烈な速度で飛んでいく。
途中、鬼鳥王の口から炎弾が飛ばされたが、そこは福次郎と俺の阿吽の呼吸でサっと避ける。
炎弾はアカネの家に直撃コースだったが、地上でエリスの氷魔法で相殺してくれたようだ。そして――
「どりゃあああああ!」
首をサクっと切って、死体が落下していく。
で、福次郎に運ばれながら、ゆっくりと地上に戻る。
すると、お義父さんが地面に正座をして、三つ指をついて俺に頭を下げていたんだ。
「婿殿……躾の行き届かぬ、不出来な娘ですが……これからよろしくお願いしますぞ」
親子そろって完全に同じパターンだったので、俺は思わず笑ってしまった。と、その時――
「待ちなよ、鬼人王」
庭に現れた人影を見て、その場の俺以外の全員が土下座の姿勢をとった。
はてさて、どういうことなんだ?
そう思っていると、アカネの父親が平伏したまま……震えた声でこう言ったんだ。
「魔獣人王様……」
「この男を森の眷属に迎え入れるなら、ボクに話を通してからっていうのが筋だろう?」
魔獣人王って言えば、この森の大ボスみたいなやつのことだよな?
確か、俺にミスリルソードを褒美でくれたのもこいつだ。
ってか、こいつ……ゲームのヒロインじゃねーか。
いや……ヒロインと言って良いかどうかは疑問があるな。
いやさ、顔も滅茶苦茶可愛いし、胸だって爆乳だし……一部分を除いて、ヒロインっちゃあ、ヒロインなんだよ。
と、言うのもこいつはエルフ系の清楚なドレスを着ているんだが、股間の下着が丸見えだ。
他のキャラは、分かりやすくどこかしらの局部が見えてたりするんだけど、こいつは下着が見えるだけ。
つまり、こいつは、おっぱいを丸出しにする必要もなく、後ろ半分を全裸にしたりのネタに走る必要もない。
どうしてそうなるかというと、こいつは……そんなことをしないでも立ち絵のインパクトとして……下着を見せるだけで既に十分すぎるんだ。つまりは――
――股間がモッコリしてるわけだ
俗にいうフタナリというキャラで、豊満なおっぱいと女性器と男性器を併せ持っているキャラだな。
女体はエロい! 女の股間のアレもエロい! 男の股間のアレもエロい!
……じゃあ、全部あればもっとエロくね?
フタナリとは、そんな究極のお馬鹿な考えから生まれた、現代日本のオタク文化の闇の一部分だと言えるだろう。
ちなみに一部の外国の人にもフタナリは熱狂的な指示があるらしい。
ってか、あー、ようやく今……ゲーム内設定と全部がつながったよ。
そういえば……このキャラって……元々は魔獣の王を名乗ってたんだっけか。
こいつについては俺の性癖に合わないからエッチシーンすら見たことも無い。
設定関係もストーリーに絡んでくるところ以外は、ほとんど覚えてなかった。
だから、魔獣人王がコイツって今まで気づかなかったんだが、このモッコリした股間で一瞬で頭の中でつながったよ。
そう、つまりはこの娘はフタナリで有名な……ナターシャだ。
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