雨粒の私
水上 瓜 (胡瓜)
見えない個は、どうしても溶けない
あたし、あたしは、
これから何に落ちていくのか
あたしが、あたしの輪郭を歪ませてる時は、
きっと浸透、融合したとき。
それは孤独からの卒業を意味する。
でも、あたしはまだ浸透しても
目に見えない孤独を味わうと思うの、、、
雨粒からわたし、。
雨の雨粒が、水溜りをつくって、みんなお昼に消えちゃって、夏。
雨の雨粒が、あなたの制服に、沁みて、次の日も嫌々ながら、傘をさす、梅雨。
長雨の中、長髪の、オレンジのパーカーを着た人が、交差点で傘をささない。
孤独っぽくしている、孤独っぽくしている、
あたしはギリギリのところで避けて、
孤独っぽくしているところを
励まさず、同情せず、
夜の蒼の反射に
あたしがとけて、
わたしになることを願って、
ただ、願って、落ちる。
自分以外のために「孤独じゃないよ」と、伝える種類の優しさは、
海から飛び上がる時に、落としてきてしまったの。
誰よりも早く、あたしは、わたしになりたくて、
ただ、空を、強く私を光らせる太陽を、睨むように、強く、見つめていたら、落としちゃって、
あたしはもう充分満たされているところに入って、わたしになりたかった。
あたしは今「孤独っぽく」している。きっとそう。
今から、満たされたところに入って、わたしになるよ。
だから、雨に濡れて「孤独っぽく」しないで、
一人、かもしれないけれど、
雨粒の私 水上 瓜 (胡瓜) @minami-riu
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