物語を作ろう! アハッ!

渋谷かな

第1話 無

「ダメだ。夢というのは、スキルであり、名前ではない?」

「水という名前で水忍術だと、文字が水ばっかりになりますもんね。」

「水を使えそうな名前だと滴。水面とかだな。泉、湖。」

「拳ならケンシロウ。拳シロウだよ。」

「星座なら星矢。」

「被せてきますね。ということは侍と忍者なら名前はなんですか?」

「服部?」

「忍者ハットリくんってありましたよね。」

「もう、やだ。」

 売れっ子作家、ヒット作、何も考えないで被せまくり。売れれば、それでいいのだ。

「主人公の名前は忍(シノブ)! (ムゴイ)(シノバセル)若しくは侍(ハベル)!? 洋モノネームきた! (さぶらう)」


ピキーン!


「男と女のダブル主人公でどうだろう?」

「SAO的な奴ですか?」

「それを言うなよ・・・・・・。」

「そこは「まあね!」でいいんじゃないですか?」

「ここでお笑いを語っても仕方がない。時を戻そう。」

 エクスキューズ・ミー!

「忍者はシノブ? 侍はハベル?」


「侍(ハベル)の大冒険! タイトルできたー! アハッ!」

「さすが先生! 新しいモノができましたね!」

「俺は生まれながらの侍だー!」

「カッコイイ!」

 完璧。


「侍と忍の物語。」

「侍忍者できましたね。二人が合体したら完璧ですね。」

「下ネタ禁止!」

 試行錯誤は続く。

「直接過ぎるか?」

「きっと侍忍者が聖闘士と同じとすると、星矢は出てきませんからね。」


「いいや、夢と希と望で。無が主役じゃ悲し過ぎるから。」

「やはり良い物語じゃないと、一般大衆ウケしないんですよね。最近はテレビが煽るから、一般人が右に左に映画館に行っちゃうんで、ヒット作の中身がない。売れれば儲かるだけでしかない。」

「儲かる物語になりたい。貧乏人はお金持ちになってから、きれいごとを考えよう。」

「先生。それが間違いですよ。きれいごとのお涙頂戴の話を書いているから、採用されてお金が入って来てお金持ちになれるんですよ。」

「う~ん、納得。」

 夢と希望の物語を作ろう。

 つづく。

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