第15話想い

アネモネアスの森は昔モンスターは多いが緑が綺麗に生い茂る「平和の森」と呼ばれていたにある日森深く迷い込んだスズラと言う女の子のと出会った。


アネモネアスを怖がらずにやさしく接していてたスズラは毎日のように会いに行っていた。


最初は鬱陶しく思っていたアネモネアスはスズラのやさしさと純粋さに惹かれ心を許せる仲になった。


しかしある日アネモネアスとスズラは森で会っているとスズラがアネモネアスのウロコを採取に来ていた狩人に仲間だと思われ狙撃され亡くなってしまう。


怒り狂ったアネモネアスは狩人殺した。

そのせいで女の子を殺したのもアネモネアスのせいにされてしまい邪悪なドラゴンがいる「悪夢の森」と呼ばれるようになったそうだ。


「スズラが亡くなって、私はその時初めて人の命の尊さに気づいた。と同時に人の愚かさに気づいた、人は簡単に同族でも殺してしまうのだから自分の利益のために。それ以来私は人を殺せなくなっていたそして信用できなくなっていた」


アネモネアスは悲しい顔をしていた。


「人を愚かと言った私の方から愚かなのかもしれない。人を信用することも殺すこともできない中途半端な存在だ」


「けど今まで殺せなかったって事は、お前はまだ人を信じたいんじゃないのか?」


「……そうかもしれないな」


「だったら…」


「けど、考えを変えることはできない。私が信用できる人間はスズラだけだもう死んでしまったがな…」


アネモネアスは森深くに帰ろうとしていた。

俺は、大声でアネモネアスを引き止めた。


「じゃあ!俺と戦って俺が勝ったら、人を信用してくれないか?」


「なぜ、また人を信用する意味がある?」


「人間もあんたの事を信用してない、むしろ脅威に思っている。そんな関係だったらいつか戦争が起きてしまう。そうなった時本当に人間を殺さずにいられるか?」


「わからない。ただ本気で私を殺しに来るのなら、私も容赦はしないかもしれない。」


「そうだろ、それに俺たちの戦いはまだ終わってない」


「その右腕で戦うのか?回復しなくてもいいのか?」


「これでいい、そうじゃないと対等じゃあないだろう。俺も本気で戦うだから、お前も本気で来い!」


「フフ、いいだろう受けて立ってやる!」


そう言った、アネモネアスの顔は嬉しそうだった。


俺は戦い全力を尽くした。

しかしアネモネアスに俺の力は届かなかった。


「今度こそ、終わりだな」


「ま、まだ、終わって……」


俺はその場で気絶してしまった。


「うん?ここは?」


気がつくとベットに寝て、体中に包帯が巻かれていた。

そこは「サンセベリア」の2階の俺の部屋だった。


「そうか、俺は負けたのか…」


俺は、悔しいさでいっぱいになった。

あれだけ修行したのにあいつに通用しなかった。己の無力さに腹がたった。


すると、ドアからノックが聞こえてきた、デイジーだった。


「ユウタさん起きてますか?」


「ああ」


「入りますよ」


すると、ドアが勢いよく開いた。

ストックさんだった。


「貴様!娘を危険な所に連れていきよって!覚悟は出来てるんだろうな!」


「す、すみません」


「と言いたい所だが、娘から全部聞いたよ。

娘が無理やりお願いしたそうだな。すまない。」


「ごめんなさい。ユウタさん」


「いえいえ、俺も色々助かりましたから」


「とにかく、お前たちが無事でよかったよ。けど勝手に店を休んだのは許せないがな」


凄い形相で睨みつけられた。


「本当にすみません!」


ストックさんは相変わらず怖かったけど、俺の事も心配してくれてくれていたことがとても嬉しかった。


「まぁしばらくは仕事を休んでいいぞ、明日魔法医師を呼んで怪我を直してもらえ、俺は仕事に戻る。デイジー看病してやれ」


「わかった」


ストックさんは部屋から出ていった。


俺は、デイジーと二人きりになった。


「ごめんなさい、ユウタさんあたしの回復魔法じゃあまだ、大怪我が直せないんです」


「いいんだよ別に、大したことないよ」


と言うのは嘘で、俺の右腕は尋常じゃないくらい痛かったが心配させたくなかったのでやせ我慢をしている。


「デイジーが連れて帰ってくれたのか」


「いえ違います、アネモネアスが町の近くまで連れて来てくれたんです」


「あいつが!」


「そう言えばアネモネアスが言ってました。

また会いたい、話があるから来てくれって」


「そうか…明後日あたり行ってみるか」


俺は次の日怪我を直してもらい、翌日1人で森へ向かった。


そしてあることに気づいた。


「あいつの所までの行き方がわからない」


俺が森に行ってから4日しか経っていないが

あの湖までの道のりがわからない。


途方にくれていると頭をいきなり突かれた。

後ろを見てると突いてきたのはジンさんだった。


「ジンさん、じゃないか」


「ホーホー!」


ジンさんは相変わらず緑色の羽をフワフワさせながらパタパタと飛んでいた。


「ホーホー」


するとジンさんは俺の肩に乗りくちばしで東の方を指している。


「まさか道案内をしてくれているのか?」


「ホー」


「あっちに行けばいいんだな、よし!」


俺はジンさんが指し占めた方向に向かった。


すると数十分で湖が見えてきた。

ジンさんはここまでの近道を知ってのだ。

ならこの前も教えてほしかったが。


湖に着くと、そこにはアネモネアスがいた。


「言われたとおり来たぞ」


「よく来たな待っていたぞ」


「話ってなんだ?」


アネモネアスは大きい口を開き話した。


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異世界冒険伝 スライムライオン @IPf

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