第13話龍神

森は奥に進めば進むほど深く暗くなっていった。


モンスターも次々と襲ってきたが、俺達は次々と倒していった。


「にしても、いませんねドラゴン…」


「そうだな、もうどのくらい進んだかわからないな」


疲労が出てきていて、精神的にもかなりきていた。

デイジーの魔法は怪我や病気治すだけで体力は回復できない。

これ以上体力が減ったらドラゴン戦の時にかなり危険な状態なる。



その時デイジーが何かを発見する。


「あれ見てください!あそこ光ってますよ。」


「本当だ、多分森の開けた場所だ!

行ってみよう!」


俺達は、光を目指して走った。

光が指す場所は、やはり森の開けた場所でもう少し先に湖があった。


「よかった、ここは安全そうだ。少し休もうか」


「そうですね、そうしましょう」


そう言って休もうとしたら、突然低くでかい声が聞こえた。


「やっと来たか!冒険者よ!」


「だ、誰だ!」


「私は、この森を守るドラゴンだ!」


「まさか!」


その時湖から、凄い勢いで何かが飛び出して、地面に着地した。


その正体は、ドラゴンだった。

4足歩行で、緑色に光り輝くそのウロコは、その名の通りエメラルドのようなその光沢を放っていた。


鋭く尖った牙や爪そして大きな体はものすごいの威圧感を放っていた。


「お前が、エメラルドドラゴン・アネモネアスか?」


「いかにも、私がアネモネアスだ」


「俺達が来ることを知ってたみたいだが?」


「当然だ、私はこの森のすべてを管理するもの、お前たちが森に入った瞬間からお前たちの存在に気づいていた。私になんのようだ?」


「お前を倒しに来た。これまでお前が傷つけた人達のために!」


「ほぅ、やれるものならやってみろ!」


「デイジー下がってろ!俺が守る!」


「わかりました。頑張ってください」


「ああ…じゃあいくぞ!」


先制を仕掛けたのは俺だった。


『アイアンバレット』


俺は腕を硬化させ、ドラゴンの頭上まで飛翔し、上半身をひねり腕を振り上げた


「喰らえ!『メタルパンチ!』」


俺のジャンプパンチはドラゴンの命中した。


「やったか?」


「かなりの威力のパンチだか、私には効かん」


「そうか、やはり一筋縄ではいかないな」


俺は足を硬化させ攻撃を仕掛ける。


『メタルレッグ!』


俺の蹴りがアネモネアスの首に命中したが、やはり効いていない。


それもそのはずアネモネアスのウロコは硬い、俺の『アイアンバレット』より硬いかもしれない。そのため攻撃が通らない。


「次は私から行かせてもらおう!」


アネモネアスは自分の尾を振り回し、俺にぶつけようとしてきた。


『エメラルドクラッシュ!』


「これは、避けられない。ならば!」


俺は咄嗟に上半身を硬化した。


アネモネアスの攻撃はこれまで戦ってきたどのモンスターより重く強い攻撃だった。


俺は攻撃なんとか耐えることができた。

しかし、


(くそ!一発でこれか!)


俺の腹部の硬化部分にひびが入っていた。


『アイアンバレット』は発動して自分で解除するのには次の発動のインターバルは必要ないのだが、攻撃や衝撃による強制解除は、次の発動に10分インターバルが必要になる。


(これ以上喰らうのはまずいけど能力を使わないと致命傷になる攻撃だ。あの技を使うか。いやまだダメだ!)


俺は対策法を考えようとしたが、アネモネアスは考える空きすら与えてくれなかった。


「来ないなら、こっちから行くぞ!」


アネモネアスがそのでかい足で踏みつけようとしてくる。


俺は躱したが、森全体が揺れるほどの地響き

が鳴り響いた。

けれどかなり遅い攻撃だ。


(喰らったらやばいけど、遅い攻撃だ。

これを利用してやる!)


アネモネアスがもう一度海踏みつけてくる。


俺は、それを躱し高く飛翔し、アネモネアスの上に乗った。


「どこだ、どこかにないかこいつの硬くない部分は」


俺はゴツゴツして移動しにくいアネモネアスのウロコの弱点を探したが、コイツのウロコには硬くない部分などなかった。


「そんなことをしても無駄だ!」


アネモネアスは俺を振り落とするために体を大きく揺らす。

俺はなんとか耐えようとしたが、遠くに振り落とされるた。


ダメージはなかったが、かなり遠くに飛ばされた。


「こいつには弱点がないのか?いやきっとある探し出してみせる!」


「あの、大丈夫ですかユウタさん」


「デイジーここに隠れてたのか」


「はい、それにしてもかなりヤバイ状況ですね」


「ああ、ヤツの弱点がわからなくて困っているんだ。ヤツの柔らかい部分はないのか?」


考えるチャンスは距離が離れた今しかないのに、全然いい案が浮かばなかった。


「ホーホー!」


ジンさんがものすごい勢いで鳴き出した。


「どうしたんだ、急に?」


そう言うとジンさんは鳴きやみ、デイジーの肩飛び降り俺の腹を突いた。


「急にどうしたんだよ、ジンさん。」


俺は少し困惑したが、ジンさんのこの行動をきっかけに何かに気づいた。


「腹?まさか!」


俺は、遠くにいるアネモネアスの腹を見た。


「やっぱりだ、思った通り!」


「どうしたんですか?」


「ヤツの弱点がわかった」


「なんですか?」


俺はアネモネアスの方を指差した。


「ヤツの頭から背中にかけては硬いウロコで覆われているが、腹の部分は覆われていない!」


「本当だ!」


「なんでこんな簡単なことがわからなかたんだ。ありがとうなジンさん」


「ホーホー!」


俺がそう言うと、ジンさんはドヤ顔をした。

なんだか人間くさい仕草に驚いた。


「もう、終わりか!冒険者よ!」


アネモネアスがすぐ目の前まで近づてきていた。


「まだまだ、これからだ!」


俺は一気に距離を詰めた。


アネモネアスはタイミングを合わせて踏みつけようとしてきた。


「その踏みつけは、遅い!」


俺はアネモネアスの踏みつける前に懐に入り込もうとした、だか急に踏みつけるスピードが早くなった。


「なんで?この攻撃は遅いはず!まさかこいつさっきの攻撃はわざと遅くしたのか!」


「私の懐に攻撃をしようとしたようだが、読みが外れたな」


「だめだ!間に合わな…」


俺は、踏みつけられたてしまった。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る