ギルドの受付 性欲の権化だった
「はぁ? よつば•パレンラトス? ハハハお客様、ご冗談はやめていただきたい。不敬罪になりますよ?」
ギルドに着いたはいいものの、受付の男はまったく受け付けてくれなかった。そりゃあパレンラトス王国の第二王女様が冒険者登録してくるなんて想像だってできないだろうし、当然と言ったらそうか。
「オホホホホ......この国の皆の衆はなっておりませんわ」
「よつばちゃん。流石に偽名を貫き通すのは無理があるよ。いい加減本当の名前を僕にも教えて」
マールは悲しい子を見る目でこんなことを言ったんで、よつばは軽い疑心暗鬼に陥ってしまった。
「えっ......!? 私の名前は偽名......なんですの?」
ていうかさっきからこの男はさっきからよつばを見つめているのが気になる。すると何を思ったのか、いきなり気色悪い笑顔をよつば含む俺達に向け、こんなことを言いはじめた。
「君はそんなに冒険者登録をしてカードが欲しいんだね。なら今ここで服を脱いで君が王女様だと証明したまえ! 仮にも王女様なんなら脱げるよなぁ~! 脱いだら手続きでもなんでもしてやるよ!」
な、なんだと!? やばい真面目に見......いや待て、理性を抑え込むんだハルト! ほらこの男が言ってること支離滅裂じゃないか!
にしても唐突だな!? 完全に性獣の眼をしていやがる。
「女の子に何言ってるの! ていうか昨日の受付の人は親切にしてくれたのに、貴方は最低ね!」
「oh......君も素晴らしい身体をしているな! 最高じゃないか! ちょうどオラは腹が減っていた。女は食べ物だから夜にでもゆっくりと食べるとしようかな! あっ、男には興味ないから帰っていいよ」
ダメだこいつ、早くなんとかしないと......流石に性欲が尽きないハルトでもわかる。コイツは何か格が違うと。とにかくわかることはこのままいくと最悪な展開になりそうなことだ。
今ギルドには男の人一人しか人はいないけど、万が一騒動起こしたりしたら今後確実に悪目立ちしてしまいそうだ。
「オホホホホ......私は何度も言いますが本物ですけど、話を聞かないこの子豚様は不敬罪に処されたいのですね」
よつばの背後にドス黒いオーラが出現している。この子変に権力持ってるから下手したらあの受付不敬罪どころか、最悪処刑されるぞ。いやセクハラを仕掛けてきたのは受付の人だけども。
慌てて俺が両者に割って入ったが、すぐに後悔することとなる。
「オラの邪魔をするなぁ! オラの覇道を邪魔する奴め! どうやらこれから死にたいようだなぁぁぁ!」
「アンタ本当に受付の人か!? ここまできたら正気を疑うぜ!?」
「私の魔法のサビになりたくなければ今すぐどきなさい。私が身の危険を感じてるのにハルトがあの子豚をかばう行動をすれば貴方はいろいろな界隈から怒られますわよ?」
「そーだそーだ!」
完全に板挟み状態で辛いです......こんな思いをするならあの時一人でスローライフしたかった......
「すみません! うちの若い者が大変ご無礼を!」
ほっ、よかったギルド関係者の人なのかは知らんけど、ピリピリムードの中この騒動を止めに来てくれた。
「やっぱり君はクビだ! 今回たまたま私がここにいて、君が犯行をおこなってることが確実に分かったからなぁ! いったい貴様はこれまで何人の女の人を襲ってきてたんだ!」
「ああうるさいよ! もういい、オラは今日付けでこのパワハラ受付辞めてやる! そして夢の女漁りの旅に出かけてやるよ!」
分が悪いのを察したのかこんな捨て台詞を吐いてアイツはギルドを出ていった。
「すみませんうちの者が、いつもあんな感じなんですよ。困ったものです」
「いえいえ......たとえ貴方が介入してこなくても私達がなんとかしてましたわ。あらゆる力を使っても......ね?」
やっぱりよつばは敵に回したらダメなタイプだ。例えばの話、もしも俺がよつばを裏切ったら、よつばは手段を選ばす全力で叩き潰しにいきそうで怖い......
気を取り直していい加減よつばに冒険者登録をさせよう。占い婆さんとかいう人を待たせてしまって申し訳なくなる。
◇◇◇◇◇
次回に続く
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