ブラック過労死につき転生させてもらいましたがやっぱりブラックでした

佐々木さん

第1話

 「はぁ、今日も帰れないか。これで何日目だろう」



 中学で井の中の蛙だった俺こと邑木優夜は住んでたとこでも有数の進学校に入学した。今まで勉強しないで才能だけでやってきた俺は高校に進学してすぐに躓いた。

 大海知らずにも程があるほどに現実にめったうちにされた。クラスでも敬遠され部活では先生のストレス発散相手にされる部長を押し付けられ、心はボロボロになった。そんな中でも必死に頑張ろうとしたけど、今まで勉強なんてしないできたから勉強の仕方すらもわからなかった。


 留年しないようにだけ必死になって親からは大学進学を許されず俺はその学校で17年ぶりの進学しない生徒になった。クラスどころか学校全体から疎まれ居場所のない青春を耐え、親が勧めてきた社宅のある会社に就職した。


 あぁ俺はもうその時には悟っていた。親は俺のことを家に居させたくないってことを。もちろん家賃も払ってくれるはずもなく、家賃は給料とほぼ同額。

 会社が運営してる社宅だからただのマッチポンプだった。最初の半年はプログラミングを叩き込まれた。


 そのあとは休みなくゲームやアプリなんでもプログラムを組まされた。入ってくる給料はほぼ家賃に消え、残るのは雀の涙。4桁にも及ばなかった。それでも使う暇はなく貯まっていっき5000円に到達した。


 家賃は払っているが部屋に私物はないどころか使ったのは初日のみだ。俺の中からは既に感情は消え去った。考えるだけ無駄ただ手が動く。ふと、俺の手が動かなくなった。誰も異変には気づかない。周りを見ようとしたら視界が暗転した。


 意識が戻ってくると、周りは暗い世界だった。暗いと認識はできないのに理解はできた。どうしようもなくただそこにいた。どのくらい経ったかわからないしかし気づいたら明るい場所にいて、感情も戻っていた。


「…に来て……、こっちに……」


 何かの呼ぶ声がした。そこで俺は今人の形をしてないことに気づいた。イメージ的には人魂のような感じだ。まぁ意識すれば動くことはできるから気にしなくてもいいだろう。


 声がだんだん大きくなってきたが明るい空間には何も見えなかった。

 目の前から声は聞こえるが何もいない。あれ?と思ったその瞬間目の前が爆ぜた。



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