第25日目 親友は思ったより大人だった。

「おはよー!」


「おはよう。川本さん昨日は楽しかったよ、ありがとう」


川本さんからのあいさつに対して慣れてきている。なんと贅沢なことだろうか…


「こちらこそ!どう?うまかったでしょ?」


なんかドヤ顔で聞いてくる。こんな表情もこの罰ゲーム始めたころはなかった…


「うまかった、さすがと思ったよ。機会があればまたよろしく。」


さらっと次回も誘ってくれといったようなもの。


「いいよ!またキャリーしてあげる!

おとなしくついてくればいいのだよ?冬月君!」

おどけて司令官のような口調で言う。思っていたより親しくなったんだなと、しみじみ。

「お願いします。先輩!」

川本さんにそうやって返事をして席に着いた。今日も授業開始だ。


授業を比較的真面目に受けて昼休みになった。

昼ご飯はいつも楠本と食べる。

「最近どうなの?(モグモグ)」

「食べながらしゃべるなよ。で?何が?」

「川本さんのことに決まってるだろ?で?どうなの??」

やけに食い気味に聞いてくる。こいつ楽しんでる…

「まぁだいぶ仲良くなったと思うよ。」


「告白成功しそう?まぁそんなわけないか笑」


「おい、お前が決めたんだぞこの罰ゲーム。成功してほしいと心から願ってるよ。」

「ところでさ、もし俺がお前に勝ってたら誰に告白するつもりだったんだ?聞いてなかったなと思って。」


「川本翼だよ。でも、誤解するなよ?それを含めて考えて、もしも、お前が告白に成功しても俺はお前を悪くは思わないし思えない。だからお前と点数勝負をしたんだよ。お前が翼を好きなことだって気づいてたしな。だから、成功させてくれよ!告白。仲いい友達で終わらせるな!」

「わかった。頑張るよ。でもいいのか?本当に。」

「この罰ゲームを思いついたのは自分の気持ちを試すためだった。本当に翼のことが好きならば、この罰ゲームは実行に移さなかったはずだろ?だからけじめをつけたかったんだ。だから気にすんな」

「罰ゲームって最初は嫌だったけどその話聞くと罰ゲームじゃねぇな…話してくれてありがとう。」

「おうよ!頑張ってな!」


ありがとう楠本。友達でいてくれて。

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