MCHのヒーローに仲間入りしたら棒人間だった件

nitonei

第1話

作者: (ko

編集:nitonei


俺は、ただマイクリをして昼寝をしただけ…。

たったそれだけだったのに──

「ここ、どこだよ!!」


体を起こし、目覚めたばかりの視界に入ってくる情報の多さに俺は絶句し叫んだ。


昔のアーケードゲームを連想させるようなボクセルの容姿をした奴らがそこらじゅうを歩いていたからだ。


さらに空に広がるのは、巨大なタイルと緑の空間。


俺は、ただ口をあんぐりと開け見渡すことしか出来なかった。

いや、情報把握に時間がかかったんだ。


──ここはきっと、マイクリワールド!


間違いない。ゲームで見たことあるドット絵たちが地面に足をつけて歩き、会話をしている。


そんな人達を眺めているとふと、通りすがりと思わしき棒のようなものを持った人が近づいてきた。


「見ない顔だね、新入り?」


「新入り…?──いや、これはさすがに夢だろ。こんなゲームみたいな空間ありえねぇよ。俺はきっとゲームにハマりすぎて夢でもマイクリを…」


「何を独り言ブツブツ言ってるの?あ、もしかしてチュートリアル講習サボっちゃった人?いやぁ、たまに居るんだよねそういう人。僕が案内しようか!」


チュートリアル講習…?何を言ってるんだこいつは。


いや、まて。でももし夢ならばマイクリの世界を楽しめるチャンスかもしれない。

現に、目の前にいるのは紛れもなくマイクリの世界にいるタクティシャン!

初期にお世話になったヒーローじゃないか!


「何をキラキラした目で見てるの?僕なんか変かな──うっ!!!!」


「だ、大丈夫ですか?!」


苦しそうに悶え、倒れた。


液体のようにいきなり溶け始めたタクティシャンの体は、白い光に包まれる。


光が消えたかと思えば、次の瞬間目の前に現れたのは……。


「ご主人様…恥ずかしいにゃん…」


長いしっぽに、三角の耳。

メイド服を身にまとった美少女ボクセルがいた。

「なんなんだよこの世界は!!!!!!」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る