第35話、三日後

 二人が目覚めたら、色々聞いてみればいいだろう。とりあえず今日はこのまま飯を食べて、それから寝るとしよう。


 ◆◇◆


 俺が友人一行と再会してから、三日程経過した。真珠しずく達が目覚めたら一応俺が泊まっている宿に使いの人を寄越してくれるとの話だったので、普通に宿でゴロゴロしながら過ごした。OPPAIブーストはなくなった気もするが、おかげで身体の疲れはほとんど取ることができた。


 俺が食う・寝る・出すという最高のニートライフを謳歌しながら日々を過ごしていると、部屋の扉をノックする音が聞こえた。


「すみません。治療所の者ですけど、お連れの方が目覚めましたので連絡に参りました。」


 どうやら真珠しずく達が目覚めたようだな。このゴロゴロニートライフとも今日でお別れか、寂しくなるな。


 ……いやもういっその事、もうしばらくこのままゴロゴロしていればいいんじゃないだろうか。とりあえず金が尽きるまでは。この生活と真珠しずく達に会うことを天秤にかけた時、この生活の方が圧倒的に重い。俺の脳内天秤ではそのような結果になった。別に約束しているわけでもあるまいし。


 俺がそんな事を考えていると、それを察したかのように扉を叩く音が激しくなった。


「ザーメン! いるのは分かってんのよ! さっさと出てきなさい!」


 何でルビーがここにいるんだ? 治療所の人には俺にだけ連絡してくれればいいと告げておいたはず。だからルビサファ姉妹には俺が直接行くか、治療所の人にお願いして連れてきてもらうかするしかないはずだ。


 だが彼女達が来てしまったのなら仕方がない。初めて会った時のように扉を壊されてはたまらんからな。あの時はルビーが後で修理代をくれたが、おそらく今回は俺が悪いとか何とか言って修理代は俺持ちになるはずだ。地味に高いからな、扉の修理代。


「今行くよ。」


 俺は露出していた息子を仕舞い、急いで扉を開けた。そこには治療所の人とルビサファ姉妹が立っており、ルビーに関しては若干怒りを含ませた目でこちらを睨んでいた。


「遅いわよ!」


「すまない。少し準備に手間取ってな。そんな事より、何でお前達がいるんだ?」


「あんたの事だから、多分治療所の人が来てもすぐには出てこないと思ったのよ。だからあの後先に私達へ連絡してもらうよう、治療所の人に言っておいたの。まぁ予想的中だったわね。」


「……」


 ……ぐうの音も出ないな。まさかたった一週間程度の付き合いで、そこまで俺の事が分かるとは。伊達にOPPAIを揉んだ揉まれたの関係じゃないな。やはり人はOPPAIを揉んだ揉まれたの関係になると、こうして相手の事が分かるようになるのかもしれないな。ちなみに俺はルビーの事は分からない。


「……あんた、また何か変な事考えてるわね。顔に出やすいのよ、あんたは。」


「……別に、変な事なんて考えていない……」


「まぁいいわ。あの二人が目覚めたみたいだし、さっさと行きましょ。」

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