第27話、ゾンビ戦2

「まぁ見ていろ……俺がこの状況、突破してやる!」


 さぁ来るがいい、ゾンビ共。できれば一体ずつで来い。この中で一番弱い俺が、貴様らを木っ端微塵のグッチュグチョのヌルヌルにしてやろう。


 俺は息子を扱き、いつでも発射できるよう準備を始めた。後ろでルビーが何やら騒いでいるのが聞こえるが、今はそれ所ではない。文句ならこの戦いが終わった後でいくらでも聞いてやる。


「アアアアァァァァ……」


 まず二体のゾンビが横並びで俺の近くまで来た。一体ずつがよかったのだが、こいつらは動きがかなり遅いようだ。二体までなら何とかしてみせよう。……あーっすー……そろそろ逝きそうだ……頼むから当たってくれよ……!


「くらえ! 〇〇〇〇○砲―――ッ!!」


 俺は叫びながら、ゾンビに向かって白濁した液体を射精した。一体目に命中させた後すぐに、出し尽くしてしまわないように息子を指で締め付け、その後少し方向を修正してから二体目のゾンビにも命中させた。的がそれなりに大きいので、何とか無事に命中させることができたようだ。


「ウアアァァァァァァ……」


 どうやら上手く行ったようだな。俺の精液を浴びた二体のゾンビが苦しみだし、当てた部位がドロドロに溶けて崩れ落ちていった。頭に当てる事はできなかったが、脚や腕の一部が溶けてなくなったので、あのゾンビは動く事ができなくなったはずだ。


「嘘でしょ!?」


 何やらルビーが驚いているようだが、なにも俺は策がない状態でこのような暴挙に出たわけではない。上手くいくかどうかは賭けだったが、一応勝算もある上でやったのだ。


 俺が昔やった事のあるゲームでは、アンデッド系のモンスターに回復魔法を当てると大ダメージが与えられるというシステムであった。それを思い出し実行してみたわけだが、上手く行ってよかった。


 ……ただ一つ問題がある。それは思っていたよりも効果が薄かったという点だ。俺の予定ではゾンビの身体の一部にでも命中したら、そこからどんどん崩れ落ちていきそのままゾンビ討伐完了! となる予定だった。


 だが実際はどうだ。確かにゾンビの身体が崩れ落ちたはしたのだが、崩れ落ちたのは命中した部分とその付近だけだ。思ってたのと大分違った。


 ゾンビは頭を潰さない限り動き続けると言っていたが、頭に当てるなんて至難の技だ。停止した状態で俺の息子より下の位置にでも頭がない限り、確実に命中させるなんて不可能に近い。


 つまり状況は大して変わっていないことになるわけだが、一体どうすればいいんだろうな……


「ちょっと! あんだけ啖呵切っといてそれだけなの!? ちょっとでも期待した私が馬鹿だったわ!!」


 ルビーが喚き散らしているが、俺も正直こんな展開になろうとは思ってもみなかった。これは大誤算だ。俺は賢者モードになった冷静な頭で必死に知恵を振り絞る。何か、何か方法はないのか……この危機的状況を一発で切り抜けられるような、そんな都合のいい方法は……


 ……いや、あるじゃあないか。この危機的状況を一発で切り抜けられる可能性を秘めた、そんな夢のような方法が。問題は大人しくルビーが協力してくれるかと言う事だが、そこは何とか頼み込んで協力してもらうしかない。最悪サファイアの事をチラつかせれば何とでもなる気はするが。


「ルビー! お前に、頼みがある!」


「何よ、こんな時に!」


「俺にお前の、お前のOPPAIを揉ませてくれ!」

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