キンミヤ焼酎

「酒の大沢」

 の常連さんは良い人が多い。

お客さんに良し悪しを付けるのは良くないとは思うが、本当にいい人たちが多いのだ。

 酒屋にあまり来たことが無い人に、酒屋ってどんなお客さんが来ると思うって聞いてみたらどうこたえるだろうか?

 たぶん、怖そうなおじさんとかチャラそうなお兄さん、キラキラしたお姉さんがたくさん来る怖いところって答えられるだろう。

 ちなみに、僕(鵜飼大輔)もこの店で働くまで、酒屋にそんなイメージを抱いていた。

 だが、現実は違った。

 もしかしたら、他の酒屋はそうなのかもしれない。

でも、うちは違うのだ。

 だから、接客をすることにストレスなんて感じなかった。

でも最近は————————


 桜が咲き乱れ、いつもは来ないようなお客さんが増えてきた。

お客さんが増えるのは僕も店としても嬉しいのだが……

ちょっと、どうにかならないかな?

 お客さんの行動で最近イライラ気味なのだ。

ちょっと、愚痴みたいになるけど許してね。


 少し前から増えたこと。

 会計中一切口を開かない人。

 僕が「袋入りますか?」とか「小銭よろしいですか」って聞いても無視をしてくる。

それに、袋に入れて渡しても何も言わない。

 常連さんは「ありがとう」とか「また来るよ」とか言ってくれるのに。

 まだ、これは許せる。

 だけど、もっと許せないことがある。

それは、理不尽に切れてくるお客さん。

 例を挙げよう。

 うちの店は、包装は無料でやっている。だが、紙袋は有料となっている。

 ビール箱などの重さに耐えられる紙袋はほとんどなく、耐えられるものにしようとすると値が張ってしまう。それを無料で付けていたら店が潰れてしまうので、有料になっている。

だから、ビールのケースなどを包装したらそのまま渡している。

だが、クレームを付けてきた人はというと、

「人に渡すのだから、紙袋に入れるのが普通だろ」って不機嫌になりながら言うのだ。

お前の普通なんて知るかって、言い返してやりたいがここは我慢。と思って

「有料ですがよろしいですか?」

って聞くと、

「いつもは無料なのにおかしい」って。

 常連さんのような口ぶりですけど、僕はあなた初めて見ましたよ。

あなたのいつもは何年前ですか?

とこぼしそうなのを我慢して

「すみません、お代をいただかないと紙袋はつけられません」って伝える。

すると、鬼のような形相になって

「下っ端じゃ埒があかん。店長呼べ!」って怒鳴るのだ。

 その後は—————————

まぁ、色々(バトル)ありました。

 他にも……………………………………………………


 とまぁ、こんな感じで最近僕はイライラ気味だ。

花見が終わればこの、イライラもどっかへ行ってくれるはずと思って頑張っている。

でも、桜前線は来たばかり。

イライラ、イライラ、イライラ

イライラ前線も北上中。


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