ある夏の日暮れ
夏猫
「ある夏の日暮れ」掌編小説
僕は目を覚ました。高校の図書室で本を読んでいたら、いつの間にか寝てしまっていた。
夕日が蜜柑のように眩しかった。
放課後は時々、図書室で過ごしている。今日は、本を読みに来たのではなくて、勉強しようと思って来た。来年は受験生になるから。でも、すぐに飽きてしまった。
それで、図書室にいくつかある芥川龍之介の短編集を一冊適当に取って読み始めた。
結局、何編か読んで寝てしまった。
僕は本の表紙をぼんやりと見ていた。突っ伏して寝ていたから、おでこがちょっと痛くて、顔が熱かった。
図書委員の一人が換気のためか、窓を開けた。カーテンが僅かに揺れる。ほんの少し冷たい空気が火照った頬を冷ましていく。
風が夏の終わりを告げていた。
僕は本を借りて、図書室を出た。
ある夏の日暮れ 夏猫 @chicken-0412
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