四月二十五日

 床に生えたヤドリギは青々としている。

 かすかに震える扉が音を立てて、風の存在を明かす。カーテンの向こうは藤の花の色を映し、窓を開けると薔薇が香る。聞いたことのない名前が口をついて出ると、代わりに苦味が残った。

 遠くを見つめる私に気づくと、灰色のネズミはヤドリギをかじって倒し、今日を終わらせてしまった。

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