「僕」の物語

oms

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 私の両親はとても真面目で誠実な人だった。

 カトリック信者ということもあり、毎週日曜日の朝9時には教会へ家族で赴き、1時間ほどの御ミサを受け、その後小学生の私と3つ下の妹は「教会学校」と呼ばれる神様について学ぶ場所へと行っていた。

 私は産まれてからずっと神様について学んできたためそれが普通だったし特に苦では無かった。でも、それは昔の話。

 幸せだった頃の「僕」の想い出。



「……………。」

太陽の光が「僕」の顔を照らす。

「…。(もう朝か)」

重だるい体を無理矢理起こし僕は大きく欠伸をする。

「ほら!××××!!いつまで寝てるの!?学校遅れるわよ!」

階段から母の声が聞こえる。

ベットから立ち上がり隣に置いているスマホを起動し時刻を確認する。

『6時55分』…バス停まで走って10分、バスは7時20分に来る予定だ。

結構ギリギリに起きてしまったようだ。

「…はーい。」

母へ返事をしながら「僕」は服を脱ぐ。

脱いだものは丸めてベッドへ置き、「僕」はクローゼットへと向かう。

ガラッとクローゼットを開けると中には制服、コート、ジャージ等がハンガーにかかっている。

「……。」

「僕」はハンガーから制服を取り、覚束無い手で制服の上着のボタンを止め、ズボンを履く。

履き終わると鏡の前へ座って櫛で髪の毛をとく。肩ほどまである髪の毛を綺麗に揃えると立ち上がり、鞄を掴んで下へ降りるため階段へ向かった。

下へ降りると母はキッチンでお弁当を作っており、父と妹は椅子に座って食パンや卵焼きを頬張っていた。

妹は今さっき起こされたのかぼーっとしている。

「僕」も椅子に座り母が置いてくれていた食パンに齧り付こうと思ったが時計を見ると『7時8分』このままではバスに間に合わない。

「…母さんこのままだとバス間に合わないからもう行くね。パン学校で食うわ。」

そう言って「僕」は近くに置いてあったアルミホイルを取りパンを包んで鞄へ押し込んだ。

「だから早く起きてって言ったのに、ほら、お弁当!」

母はお弁当を手渡してくる。

「ありがと、行ってくる。」

それも鞄へ押し込み、玄関へと向かう。

「「いってらっしゃーい」」

両親からの言葉を聞き流しながら「僕」は靴を履きドアを開け走り出した。

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