物語を作ろう! アハッ!

渋谷かな

第1話 弓2

「現実の世界と唯一違うことがある。それは人を殺しても良いということ。」

「ということは、警察なんかはピストル撃ちまくりですね。」

 もちろん警察もある。

「一般人も石を投げて後頭部なんかに命中させれば人間を殺せる。」

 投石。

「そこは普通に一般人も剣や刀を持っていて、殺したい時に人間を殺せるでいいんじゃないですか?」

「それいただき。」

 パクリ作家である。

「シンプルな設定にした方が分かりやすい。」

「先生は物事を伏線ばかりで考えすぎなんですよ。」

「アハッ!」

 困った職業病である。


「刀狩りが行われなかった2021年。新たな伝説が始まる。」

 キャッチなコピーができた。


 一般人の肩がヤンキーにぶつかる。

「痛い! 誰だ! 俺様にぶつかった奴は!?」

「すいません!? ごめんなさい!?」

 一般人は謝る。

「ダメだ。許さない。死ね!」

 ヤンキーは一般人を切り捨てる。

「ギャアアアアアアー!」

 一般人は血をまき散らして倒れて死んだ。

「ムカついたら人を殺してもいい。なんて良い時代なんだ! ワッハッハー!」

 もし刀狩りが行われていなければ、日本は悲しい時代である。


「完璧即興!」

「さすが先生!」

「見たか! 私の実力を! ワッハッハー!」

 作家さんは簡単に思いつく。パターンの組み換えなどで簡単に思い浮かぶのである。

「で、ここで主人公を登場させて、ヤンキーを一刀両断する。」

「カッコイイ! 2021年の新スターの誕生ですね!」

「もちろんよ。もちよ。ワッハッハー!」

 こうやって空想することに夢と希望がある。なければ物語を作ることができない。

「この世で一番大切なモノを知っているか?」

「なんですか?」

「お金でも地位でもない。家族だよ。その家族を作るために夢と希望は何よりも大切である。」

「さすが先生! 世の中のことをよく分かっている。」

 作家さんと編集くんは一蓮托生である。

「次は真面目に主人公を考えるか・・・・・・。」

 心の中で大変だな~っと思う作家さんであった。

 つづく。

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