第4話 精霊獣
「父様、これは...?」
この卵が何かわからず聞いてみた。
「これはな、精霊獣のタマゴだ。」
「精霊獣、ですか?」
精霊獣?なに?それ?
頭の中がクエスチョンマークでうまる。
「精霊獣は不思議な存在でな。詳しいことはよくわかっておらん。一つわかっているのは子供が生まれると精霊獣のタマゴがどこからか現れる。そしてその子供が4歳になったとき、魔力を注げば精霊獣が生まれてくるのだ。ちなみに私の精霊獣はオスの鶏だ。毎朝鳴き声が聞こえているだろう?」
「えっ!?あの鶏の鳴き声って父様の精霊獣なんですか!?」
「ああ。あの鳥の声は帝都に響き渡り、一日の始まりを告げる。今ではすっかり帝都の名物になってしまったよ。はっはっは」
ええ~?そんなんなのか精霊獣って。
「ただしあの鶏はその辺の鶏とは一味も二味も違うぞ。あいつは城の塔の一番上から帝都の外の魔物を狩ることができる。目から光線が出るんだ。」
は?目からビーム鶏!?怖くね?
「まあ、私の精霊獣の話はこのくらいにしておこうか。子供たちの精霊獣はまたの機会に見せてもらいなさい。」
「わかりました。」
「では、魔力を注いでみなさい。」
ふう、少し緊張するな。
ボクはタマゴに手を当て、魔力を注ぐ。
するとタマゴが光り輝き、”ピキッ、パキキ”と音を立てながらひび割れていく。
部屋にいた人はみんなこちらに注目していた。
遂に殻が砕け散り、精霊獣が姿を現す。
さっきまでタマゴのあった場所には、白銀に赤紫の羽が混じった
少し羽ばたいてそれから僕を見つめる。
その目は角度によって色の変わる、虹色の目だった。
「よくやった。...色と言いまさに聖人か」
ん?最後なんて言ったんだろう。よく聞こえなかったけど、まあいいか。
「すごかったぞケント!」
「ケントすごいわ♡お姉ちゃんドキドキしちゃった♡」
「さすが私の弟ね!」
「きれいだった」「きれいだったね」
兄様達は口々にほめてくれた。
その間、白銀の鷲はボクの肩に乗っていた。
ややあって。
ボクは白銀の鷲に話しかける。
「これからよろしくね。えっと、名前決めないとな...」
うーん、銀色でしょ。シルバーとか?安直すぎかな?
「そういえば君は男の子?女の子?」
左手は男の子、右手を女の子と示すと、女の子の方の腕へのった。
「女の子かあ。じゃあ、君の名前は”シルフィ”だよ。これからよろしくね、シルフィ!」
そう呼ぶとシルフィは肩に乗り、頬擦りしてきた。
その後、シルフィを肩に乗せ、夕食へと向かう。
今日はごちそうだということで、ルンルンで会場へと向かった。
家族がそろったところでシルフィを改めて紹介した。
その後、豪華な夕食を終え、部屋に戻ってシルフィと戯れているとメイドさんがやってきた。
「ケント殿下、お風呂の時間でございます。今日は皇后陛下とエファ殿下、イルシア殿下もご一緒なさるようです。」
ああ、また幸福の...いや、試練の時間がやってきた。
ときどき、いや、よくこういうことがあるのだ。
エファ姉様に至っては10日に1回くらいは一緒に入っている。
メイドさんに連れられ、浴場へ向かう。
皇族女性用と表示のある方へと案内された。
いや、分かってたけどね。
脱衣所で服をはぎ取られ、浴場へと入る。
誰もおらず、母様たちはまだ来ていないようだ。
メイドさんに頭を洗われている間、じっと目を閉じていた。
そして目を開けるとそこには母様のダイナマイトボディが!!タオル付きのね。
「びっくりした?途中から私が洗ってたのよ。」
「母様、悪戯はやめてください!」
びっくりした。心臓が止まるよ。
ボクは体を洗い始める。
「ケーント♡私も来ましたよ~♡」
いきなり耳元でささやかれた。
ガタン!
ボクは椅子から滑り落ち...なかった。
エファ姉様に抱き留められていたからだ。
エファ姉様の柔らかなおっぱ...げふんげふん、例のアレに頭が包まれている。
今は性欲ないからいいんだけど。
「あらあら、ケントったら慌てちゃって。かわいい♡」
そのままエファ姉様に体を洗われる。
そこにイルシア姉様も乱入してきた。
「エファ姉様!ケントがこけそうだったじゃありませんか!ケント、大丈夫?」
ボクは姉様二人に挟まれて天国を味わっていた。
しかし終わりは唐突だった。
「は~い流すわよ~」
母様がそう言ってボクたちの上からお湯をぶっかけた。
そして母様はボクを抱き上げ、浴槽へ。
姉様達は体を洗い、浴槽に入ってくる。
「ふふふ、ケントも大きくなったわね。」
母様に撫でられながら湯船でまったりと過ごす。
姉様達と雑談しながら欲情タイム...いや浴場タイムを楽しんだ。
これはボクが6歳になったら終わりらしい。それまではこの天国を楽しむとしますか。
お風呂も終わり、ボクは母様と部屋へ戻る。
銀のブランケットをかけ、撫でられているうちに眠気が襲ってきた。
「もうおねむみたいね。ゆっくりお休み」
ボクはよく回らない頭で傍にある暖かいものへと抱きつく。
「ママ....」
「うふ、ママだって。久しぶりに呼ばれたわ、可愛い♡」
翌朝目覚めると、隣に母様はいなかったがどこか安心する母様の香りがボクを包んでいた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます