第2話


「うん…、ここは?」


暗すぎて周りが見えない。


すると、頭の中に声が響いた。



「居心地はどうかな?名前にちなんだ転生先にしてやったから、喜べ。


と、まぁ。これが最後だからな。何個か教えてやるよ。


ここはジアースという世界だ。


そして、そこはハレーダンジョンと呼ばれている場所だ。


ステータスと念じれば、いろいろ分かるようにしてるからな。


弱肉強食の世界だからの、すぐに死なないように気を付けろよ。面白くないからな。


じゃあな、もう会うことはないだろうが、健闘しろよ。


まぁ、そこから動けたらの話だがな。」


と、一方的に告げて消えていった。


何だったんだ?

口調も変わったし、声も違ったようだが…


でも、まあ、知りたいことは聞けたし、助かった。


早速、気を取り直して、「ステータス。」




個体名:  ヴァーミリオン・ドラグロード(枯木竜之介) 

種族:   ドラゴンの卵のミイラ lv.1

種族スキル:   ブレス(未解禁) 龍鱗(未解禁) 龍眼(未解禁)

ユニークスキル  神羅万象 スカベンジャー

スキル:   格闘技lv.7 

称号:   異世界からの転生者 伝説の龍の子供 

加護:   創造神の寵愛 レードルンドの嫉妬




ほーん。てか、えぇ!?


卵はまだいいけど、ミイラって何!?

初めから死んでんじゃん…


って、待てよ…


転生先についてあいつなんて言ってた…?



――――名前にちなんだ転生先にしたやったぞ。—―—



…俺の名前は枯木竜之介


枯れた竜ってか


やかましいわっっ!!!



俺の名前はヴァーミリオン・ドラグロードってなってるが、卵に名前があるのか?

しかもミイラってことは、生まれれなかったのか。


まぁ、今後はヴァーミリオン枯木って名乗るか。

売れない芸人みたいだな、やめよう…


よく分からんが、程よく厨二感があっていい名前だし、これから俺はヴァーミリオンだ!



これで一段落ついたって思ったけど、周りがくて見えないの思い出したわ。


寵愛ってあるけど、まさかあのジジイが創造神なのか?

ヒイッ、尻がキュッと締まったわ。


しかも誰かわからん奴から嫉妬されてるし…

はぁ…、前世?でもよくあったわ。

なまじ可愛い彼女を連れてると、周りからの目線が痛いこと、痛いこと。


そういえば、部長から感じる視線がすごく濁った感じだったな。

今となっては確認できないが、優衣は大丈夫かな…




というか、卵って事は目は見えないよね。

早速詰んだか?


でも、周りに何があるのか分かるぞ。

なんだ、この空間を把握してる感じ。

頭が痛いわ…



とりあえず動きたいけど、動けん。

揺らしたらどうにかなるか?


ちょうど目の前は坂になってるぽいし。


まぁ、これは…、転がっていく感じか。

脚無いしな。


ガタンッ



え?今、変な音が…。



ゴロゴロ、ゴロゴロ、ゴトンッ

ガタガタ、ゴロゴロ、グシャッ

バキバキ、グシャッ、ゴロ、グシャッグシャ


あぁーー!!!目が回る!!

てか、なんかいろんなの引いてるし!!


ゴンッ!!



あ、あぁ、何が…。


『レベル上限に達しました。』


うん?

どゆこと?




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る