壮絶な幼少期を過ごし心を痛めた人間が大人になったらどうなるのか〜私の場合〜

東條奏

第1話母方の祖母

 自分の歴史を語る上で家族の生い立ちを語らなければ私の生い立ちや全体像を伝えられないだろうと考えたので、まずは母方の祖母の生い立ちからなるべく簡単に書いていこうと思う。


 祖母は3人の種違いの子供を4人産んでいる。


 一人目は母の姉。誰の子かというと当時祖母がお手伝いとして働いていた主との子供だ。祖母は合意の上ではなく強姦との事だが真意は不明。母の姉は祖母の叔母に引取られていった。


 二人目は私の母。母は既婚男性との不倫で出来た子供。祖母はその男を愛していたそうだ。そして母は3歳頃、期間は不明だが祖母の叔父に預けたそうだ。そして母を引取ろうと祖母が叔父の家に行くと返してもらえず、叔父の子として育てると言われ一旦は引き上げたそうだ。その後もう1度私の母と会い「一緒に帰ろう」と誘うも幼い母は「嫌。ここにいる。」と言われ諦めたと言っていた。「本当は連れていきたかった」と。数年に1度祖母に会うたびに弁解のように言うセリフだ。


 しかし実際はどうなのだろうか。私であれば本当に愛している我が子であればどんな手を使ってでも取り戻そうと必死になるだろう。だがそうしなかった祖母は口では綺麗事を言っているようにしか聞こえなかった。


 私の母は言う。実母に育てられていたら確実にグレていたと思うから大叔父に引き取られて良かったんじゃないかと。


 三人目の子供は祖母と夫の子供。しかし夫は離婚歴があり前妻の子供が3人ほどおり、夫が引き取ったそうだ。結局、既に前妻との子供が3人おり経済的に産まれてくる子を育てられないという理由で産後すぐに里子行きとなってしまった。母にとっては弟だが消息は不明で唯一私も会ったことのない人物だ。


 四人目の子は祖母の夫の子供で長男とは種も同じ兄弟だ。この子供だけは祖母の元で育った唯一の子供である。


 祖母の生き方については大人になった今でも理解出来ない部分が多々あるが祖母についての話はここまでにしようと思う。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る