学校一の美少女であり幼なじみでもある彼女が実はヤンデレだということを僕だけが知っている。(修正中)
戸松
ショートショート版
学校一の美少女であり幼なじみでもある彼女が実はヤンデレだということを僕だけが知っている。
学校一の美少女が僕の隣のクラスにいる。
名前は
中学の時に彼女はモテ始めた。
顔が抜群に可愛いし、とても優しいし、誰からも好かれるような性格だった。
毎日のように告白されるのは当たり前。たまに女子からも告られた、なんてことも耳に入ってくる。
外見からして当然、内面からしても当然。誰もがそう思った。
知り合いだったというのもあって、意外にも僕は彼女と話す機会があった。
友だちの話では、どうやら彼女は僕のことを気に入っているらしかった。
そりゃあ小学生の時は、一緒に楽しく遊んだこともあった。一緒に帰ることもあった。
中学にあがってからは、思春期に突入するとともにその機会は少なくなっていった。というか、ほとんどなくなった。だが会話はしていた。
僕も子供だ。それもまだ中学生のガキである。恥ずかしさは抑えることができなかったのだ。
白乃は可愛い。僕とは違って色々なものを持っている。クラスの中心の女子や男子は勿論、先輩後輩たちも白乃の周りにいた。
そんな彼女と比べられることも多くあった。周りのやつらは、僕と白乃が話し終わった後に、決まって彼女と僕を比較してきた。
釣り合わない、なんて言葉も何度も聞いた。分かりきっていたことだから、そこまで気にはならなかったけど。
それでも、どんなことが起きようと、白乃は僕の初恋の少女であることは変わらない。絶対に。
****
今日もまた同じことの繰り返しの学校生活を謳歌する。別に楽しくも、つまらなくもない。普通という言葉がバッチリだ。
しかし、いつもとは少し違う光景がある。目の前の校門に人だかりができていた。
いつもならこんなところに大勢が集まることなんて滅多にないけれど、昨日担任が言っていたことを思い出した。
「そういえば今日は服装検査か」
だが、外で行わなくてもいいと思う。大半の生徒が同じ意見を持つことだろう。
生徒指導の先生や担任もその場にいた。その他にも、生徒会や風紀委員の人もいる。
その人たちは、服装が乱れている生徒を見つけては指導し、校則通りに直させていた。それは服装だけじゃない。髪の色も対象である。
うーん。憂鬱だ。
「ちょっと、そこの人」
声をかけられた。これは女子だな。
逃げようと無視するも、袖を掴まれてそのまま校舎に入ることができなくなってしまった。
「この髪の色はなんですか?」
僕の頭を指差して、その子はそう言う。
「ちゃ、茶色です……」
「これ、染めているんじゃないですか? ネクタイが青色ですから先輩ですよね? 一つ年上の先輩として恥ずかしくないんですか?」
「え、い、いや、あの……」
「どうなんですか、先輩?」
詰め寄られて驚いた。この子は僕より年下であるにも関わらず、かなりの威圧で問い詰めてくる。それに近い。
女の子の声が大きいからか、周りの目は僕たち二人に集中していた。今のこの状況、後輩で少し背の低い可愛らしくて風紀委員の札をつけた少女に、何もできない気弱そうな男子高校生が、至近距離で言い寄られている、というものだ。
でも僕を舐めてもらっちゃ困る。
さあ! 見せてやろう、僕の切り札を!
「いや、あのー……」
「何ですか? 何か理由でもあるんですか?」
「これ地毛」
「はい?」
「だから地毛。元々こういう色なんだけど……」
さあ、どう出るのだろうか、この少女は。
「嘘をつかないでください!」
「いや、嘘じゃないって! 信じてよ!」
「もういいです! 生徒指導の方を呼んできますから!」
作戦失敗。
こんなことで引き下がるような人ではなかった。風紀委員の人間は真面目だというウワサは本当だったのか。気難しくて、扱いづらい。
というか本当に地毛なんだけど。それがアウトなら、もうどうしようもない色素的な問題だと思う。
僕ら二人の騒ぎを聞きつけて、他の風紀委員や生徒会に所属している生徒が集まってきた。
これ以上目立つようなことはしたくない。早めにどうにかしなければ。目の前でプンプンと怒っているこの子は、先生を呼んでくると言っているし、地毛であることも信用してくれないし、これはどうしたらいいのだろう。僕では解決できそうもない。
誰か助けてー。誰でもいいからー。
ほとんど諦めてるから覇気のない言葉だけど、僕の本心である。心から望んでいることだ。
すると、周りにいる人たちの中から知っている顔が僕たちの間に入ってきた。
「ちょっと、ストップストップ!
「で、ですが
「それはないと思うよ? ほら!」
え? ちょっ!? 痛い痛い痛い痛い痛い!!!
髪引っ張らないで! やめてよ
「見てわかる? この髪、ちゃんと全部茶色なんだよ?」
「は、はい。分かります」
「というわけで、しっかりと地毛だということが判明しました!」
パチパチー、とめでたいように手を叩く。そして満面の笑みだ。
男たちは皆釘付け。一部の女子も同様の反応だった。
「で、でも、どうして五十嵐先輩は今来たばっかりなのに、この先輩が嘘を言っていないと断言していたんですか?」
「え、えーっと、それはー……」
それはないと思うよ、と白乃は言った。そこに疑問を抱いたのだろう。
白乃は返答に困っていた。
「人間離れした洞察力の持ち主なんだよ、きっと」
「そ、そう! 私普通とは少し違う次元の洞察力を有しているの!」
「なるほど」
納得した、のか? こんなふざけた誤魔化しが通用したことなど、人生で一度もなかったんだが。まあ、いいだろう。
僕はせっせと学校に向かって足を動かそうとした。
『ギュッ』
また掴まれた。
今度はなんだろう。僕、また何か引っかかるようなことしてるの? 別に何もないと思うけど。
って、ん?
「な、何、白乃?」
「ゔぅー……」
掴んでいたのは白乃であった。
そして獣のような目つきだった。こえー。何この可愛いのに怖い生き物。略して『こわ可愛い』だ。
そんなこわ可愛い少女は僕を上目遣いで見てくる。なお、目つきは変わっていない。
「な、何? 僕、何かした?」
「……した」
「何を?」
目を逸らしてきた。言いにくいことでもあるのだろうか。
すると今度は、さっきまでの目つきを通常のものに直し、少し頬が赤く染まっていた。
「んーっとね……。たっくんがー……」
あだ名で呼んできた。周りに人がいるの気づいてないのだろうか。
「うん。僕が?」
「他の女と話してた」
こえー。白乃こえー。マジでこえー。
女って言っちゃってるよ。せめて女の子にしとけ。そんなんだと嫉妬深いのバレてしまうだろうが。いつもの、性格が良くて、学校一の美少女である、五十嵐白乃はどこに行ったんだ。
実はかなりのヤンデレちゃんだった、という事実を知った生徒たちはどう思うんだろうな。彼氏である僕はいいとして、周りには聞こえないようにしとけよ。
他人そっちのけで僕との会話に夢中の彼女は続ける。
「死刑ね」
「かなり重罪なんだね、そんなことだけで」
「そんなこと? 私たちにとっては大きなことなんだけど? 結婚の約束をした私たちの仲が引き裂けるかもしれないというリスクを考慮した上での判断ですけど?」
「う、うん……」
「放課後、気がすむまでベロチューして窒息死させてあげるから。生徒会の仕事が終わるまで待っててね、ダーリン」
女こえー。
そしてその日の放課後、ラブラブな感じで、イチャイチャしながら、舌を絡ませるキスを何度も何度もした。
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毎度どうも姉線香です。
また書きました。
最後だけ、なんかエッチな感じにしてみました。
好評だったら内容を変えて連載するかもしれないです。
ですが、そのためにはモチベが上がらないといけないので、上げて欲しいです(他人任せ)!
他にも書いている小説とかも読んでいただけたら良いなと思っています。お願いします!!!
それでは。
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